★★★☆☆
あらすじ
少林寺の各流派を統一した最強の拳法「蛇鶴八歩」。しかし、その創立者たちは失踪し、その秘伝書も行方が分からなくなっていた。ある日、その秘伝書を持った若者が現れ、各流派の人間たちが彼からそれを奪おうと襲い掛かる。
感想
この作品のジャッキー・チェンの容姿には違和感を感じてしまうのだがなぜだろう。声も録音状態のせいか別人のように感じるし、どこかふくよかに見えてメイクも濃く少し女子感がある。同じ時代に作られたジャッキーの映画ではそんなことは感じなかったので不思議だ。しばらく観ていたら慣れてくるが。
映画は主人公が所持する蛇鶴八歩の秘伝書を奪おうと、各流派が入り乱れてあの手この手で襲いかかる物語。正面から襲い掛かる者もいれば、懐柔しようとする者、味方のふりして近づく者など様々な人間模様が見られるのが面白い。
精神修養の一環でもある拳法の世界で、人間の汚さが全開なのはどうなの?と思わないでもないが、主人公がそれに対して怒り狂うのではなく、彼らの下心を知りながらも受け入れているところに懐の深さを感じる。中国っぽい。
様々な流派が入り乱れて戦っている様子を見ていると、この手の物語は日本でいう剣豪物語のようなものなのだなと感じた。種類的には柔道や空手と同義と考えてしまうが、各流派で争い決闘をしたり、どこかの用心棒となったりというのは、剣豪小説でよくあるパターンだ。
その後のジャッキー映画のコミカルなアクションが随所に垣間見られて、これを発展させていったのだなと思うと感慨深い。ラストの決闘シーンも見ごたえがあり、悪くない。
スタッフ/キャスト
監督 チェン・チーホワ
製作総指揮 ロー・ウェイ
出演
ノラ・ミャオ/カム・コン