BookCites

個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「わらの犬」 1971

わらの犬 HDリマスター版DVD

★★★★☆

 

あらすじ

 妻の故郷であるイギリスの片田舎に移り住んだ夫婦は、地元の人々に嫌がらせを受ける。

www.youtube.com

 

感想

 序盤は片田舎の人間模様が描かれる。よそ者を観察するような視線、見え隠れする独特の事情、なかなか表に出てこないそれぞれの胸にため込まれた鬱憤。どこの国の田舎でも見られる光景だ。それに加えて、夫婦間にも不満がため込まれている。終始、嫌な空気が漂っている。

 

 しかし、のちに主人公と対立する村人たちの行動が全く理解できない。依頼された仕事をだらだらと無駄口を叩きながらやり、嫌がらせをしたりちょっかいを出して、あからさまに依頼主をコケにする。さらには依頼主の奥さんを襲っておいて、次の日も何食わぬ顔で仕事にやってくる。一体どういう神経をしているのか。

 

 

 ダスティン・ホフマン演じる主人公が、事を荒立てないように済ませようとしていることも悪いのだろうが、こういう人たちとどうやって関わればいいのか正直分からない。関わろうとしない事が一番の正解ではあるのだろうが。当たり前だと思っている共通認識が通じない人間と出会うと本当に戸惑わせられる。

 

 そしてひょんなことから彼らと対立することになってしまった主人公夫婦。家を包囲され立て籠もることになる。よくよく考えれば、そこまで激しく攻撃されることもないはずなのだが、日ごろの鬱憤や偶然のアクシデントなど色々な要素が絡まってエスカレートしていく。このあたりの妙に説得力のある描き方が上手い。

 

 それに対する主人公も最初はどことなく優柔不断の態度だったが、ある時からこちらもそれまでの鬱憤からか、急に覚悟が決まって反撃に出る。こちらの描写も上手い。ここから両者の激しい激突。奮闘する主人公とは対照的に、彼と一枚岩で共闘できない妻がもどかしかった。当時の一般的な夫の姿なのかもしれないが、主人公が支配的な態度を取っているせいもあるのだが。

 

 そして迎えるエンディング。ハッピーエンドなので爽快感があっても良さそうなものだが、そんなことよりもぐったりとするような疲労感に襲われた。暴力なんて気持ちの良いものじゃないということか。しばし圧倒された。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本

bookcites.hatenadiary.com

 

原作 The Siege of Trencher's Farm - Straw Dogs

 

出演

bookcites.hatenadiary.com

スーザン・ジョージ/デビッド・ワーナー/ピーター・ヴォーン



編集 トニー・ローソン/ロジャー・スポティスウッド/ポール・デイヴィス

 

わらの犬 HDリマスター版DVD

わらの犬 HDリマスター版DVD

  • ダスティン・ホフマン
Amazon

わらの犬 - Wikipedia

わらの犬 HDリマスター版 | 映画 | 無料動画GYAO!

 

 

関連する作品

リメイク作品

わらの犬 (字幕版)

わらの犬 (字幕版)

  • ジェームズ・マースデン
Amazon

 

 

bookcites.hatenadiary.com

bookcites.hatenadiary.com