★★★★☆
あらすじ
コンバース、アディダスに後れを取り、不振にあえぐナイキのバスケットボール部門の営業マンは、ドラフト指名の新人選手、マイケル・ジョーダンに目を付ける。
ベン・アフレック監督出演、マット・デイモン主演。事実を基にした作品。112分。
感想
ナイキ急成長のきっかけとなった、当時新人で後にスーパースターとなるマイケル・ジョーダンとの契約に至るまでの過程が描かれる。ナイキ創業時の話かと思ったらバスケ業界三位の時代の話だったので、意外といい位置にいるなと思ってしまった。
ただ、まったくの無名メーカーだったらさすがにジョーダンも相手にしないだろうから当然か。今の感覚で言うと、コンバースがシェア一位だったことの方が信じられない気がするが、栄枯盛衰だ。そのうち、日本メーカーが世界で存在感を放っていた時代があったなんて信じられない、とも言われるようになるのだろう。というか既になっているのか。
当時ブルズに入団が決まったばかりの新人マイケル・ジョーダンは、業界トップのアディダスとコンバースからアプローチされ、ナイキなど眼中になく、ダサいとまで言っていた。そんな状況なのに、予算もないまま彼との契約を試みようとする営業マンの主人公は、根性が据わっている。それにただ猪突猛進するのではなく、ジョーダンの心を掴むためにしっかりと情報を集め、戦略を練って行動し、少しでも可能性を上げようとしている。これぞプロだと唸らされた。
その甲斐あって、主人公はなんとかプレゼンまで漕ぎつける。そして週末をかけて仕事仲間と共に準備をする様子には胸が熱くなった。CEOらも交えて作戦を練る様子には、創業当時の熱気と親密さを懐かしむ彼らのノスタルジーも感じられる。
ここでエア・ジョーダン誕生の瞬間も描かれるが、そんな数日で出来たものだったのかと驚かされた。デザイナー(ピーター・ムーア)役のマシュー・マーも良いキャラクターだった。
ちなみに彼らの主な交渉相手となるのは、ジョーダンの母親だ。ジョーダン本人は、登場するがほぼセリフもなく、しっかりと顔を映されることもない。敢えて曖昧にぼかされている。
しかし母親は、たまたま自分の子供がバスケが上手かっただけで、そんな事をしなければならないとは大変だ。とはいえ、宝くじが当たったような嬉しさや楽しさはあるのだろうが。だが舞い上がることなくしっかりと相手に応対し、さらには条件まで付け加えて説得を試みるなど、タフな交渉をやってのけている様子には、素直に感心してしまう。
あり得ない状況から歴史的な契約を勝ち取る大逆転劇には、心躍るものがあった。ただこれは、その後にマイケル・ジョーダンがすごいことになるのを知っているからだよなとは思う。彼らにとってのドラフト一位を獲得できたのは嬉しいことだが、その後まったく活躍せずに終わってしまう可能性だって普通にあった。そう考えるとスゴいギャンブルだ。
だがこのギャンブルに挑まない限りは勝つこともない。主人公らはまさにナイキのスローガン「Just Do It」を体現したと言える。ナイキの企業理念を紹介しつつ、それに沿ったストーリー進行をする演出は上手かった。
テンポよく進む展開で、ダレることなく見ることが出来た。背景に次々と流れる当時のヒット曲には節操のなさを感じたが、80年代の雰囲気をよく表しており、またそんな大衆文化の一つにナイキがなったことも示しているかのようだった。
スタッフ/キャスト
監督/製作/出演 ベン・アフレック
製作/出演 マット・デイモン
出演 ジェイソン・ベイトマン/マーロン・ウェイアンズ/クリス・メッシーナ/クリス・タッカー/ヴィオラ・デイヴィス/ジョエル・グレッチ/グスタフ・スカルスガルド/バルバラ・スコヴァ



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