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「バッド・バディ! 私と彼の暗殺デート」 2015

バッド・バディ! 私とカレの暗殺デート(字幕版)

★★★★☆

 

あらすじ

 ダメ男と別れた女は、凄腕の元殺し屋にデートに誘われる。

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 原題は「Mr. Right」。95分。

 

感想

 元殺し屋と失恋女子のアクション・ラブコメディだ。元殺し屋は、凄腕だが殺しに嫌気がさし、心に闇を抱えている。今でも時々殺しの依頼を受けるのだが、標的ではなくその依頼主を殺してしまうようなおかしな男だ。そんな事をしていたら誰も依頼なんてしなくなるだろうとツッコみたくなるが、そこはコメディなので気にしても仕方がない。それもまた笑いの一つなのだろう。

 

 失恋したばかりの主人公は、町で出会ったこの元殺し屋にデートに誘われ、関係を深めていく。この主人公は、コメディにありがちな純粋無垢なキャラではなく、どこか病的なヤバさを感じるキャラだ。演じるアナ・ケンドリックはコメディに向いてなさそうなのに、ちゃんとコメディをしていて好演している。本来ならあり得ないだろう二人の関係に説得力を与えていた。

 

 

 失恋して荒れる主人公の様子や、二人が出会ってからはそのやりとりが面白おかしく描かれていく。元殺し屋が、いま人を殺してきたところだと本当のことを言っているのに、主人公が冗談だと思って笑って済ましてしまうシーンは可笑しかった。ただ全体としては、とても面白いというよりは、それなりに笑えるといった程度の面白さだった。

 

 中盤以降はアクションがメインになってくる。これがなかなか見ごたえのあるものになっていた。元殺し屋の余裕綽々な雰囲気もカッコいい。とはいえ、余裕を見せすぎていつもスキを突かれて逆襲されてしまうのだが。ここでもアクション映画にありがちなセリフを茶化して笑いを取ったりとコミカルさは失っておらず、シリアスになりすぎないようにちゃんとバランスが取れている。

 

 元殺し屋が敵の一人と仲良くなって信頼関係を築いたり、主人公が殺し屋として覚醒したりと意外性のある展開が小粋で、終盤はグッと盛り上がる。主人公が醸し出していたヤバさもちゃんと伏線になっていたことが分かる。彼女もまたカッコいい。

 

 惜しむらくは元殺し屋と対峙することになるギャング組織が、その他大勢の敵の一つに過ぎず、因縁が薄いことだ。この戦いの構図をしっかりとしたものにすれば、それに挑む高揚感や倒した時の爽快感が増して、もっと良くなったような気がする。とはいえ、見る前の期待値を大幅に超えて、しっかりと楽しめるアクション・ラブコメ映画だった。

 

スタッフ/キャスト

監督 パコ・カベサス

 

脚本/製作総指揮 マックス・ランディス

 

出演 サム・ロックウェル/アナ・ケンドリック/ティム・ロス/ジェームズ・ランソン/アンソン・マウント/マイケル・エクランド/RZA

 

バッド・バディ! 私と彼の暗殺デート - Wikipedia

 

 

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