★★☆☆☆
あらすじ
政財界の大物たちに賄賂を贈り、怪しい商売で優雅な生活を送る男、セルジュ・アレクサンドル・スタヴィスキー。
1933年にフランスで発生した「スタヴィスキー事件」を題材にした物語。ジャン=ポール・ベルモンド主演。フランス映画。118分。
感想
怪しい事業を手掛ける男が主人公だ。だが前半は彼が何をやっているのか、物語がどこに向かっているのかがさっぱり分からず、かなりつらかった。この映画はフランスの疑獄事件「スタヴィスキー事件」を題材にしており、それに関する知識が自分に皆無だったのが原因だ。
しかも、ソ連の革命家トロツキーがフランスに亡命してくるシーンから映画が始まるので、主人公と彼が一緒に何かを企てるのかと誤解してしまった。いっこうに二人が出会う気配がなく、それも困惑の要因となっている。
トロツキーは、主人公の事件には無関係だが、そのあおりを受けて国外退去させられており、事件が第二次大戦前のフランスを硬直化、弱体化させたことを示す象徴として登場しているようだ。事件がなければフランスのその後の命運も、トロツキーの人生も変わっていたのだろう。
終盤になると、政財界と癒着していた主人公の逮捕が迫り、スキャンダルを闇に葬ろうとする勢力が暗躍し始める。この辺りからようやく、事前の知識がなくてもサスペンスとして楽しめるようになった。そして、やっと何を描こうとしていたのかが分かってきて、それまでのストレスはだいぶ解消された。
鑑賞後にいろいろ調べることで、さらに理解を深めることができた。改めて少し見直してみたが、最初に見たときとは全然違って、普通に面白かった。題材となった事件の知識を頭に入れてから見たい映画だ。
ところで、この事件の影響を調べていたら、政治不信や外国人排斥の風潮が高まって社会が混乱したようで、なんだか現在の日本の状況とよく似ているなと思ってしまった。外国のカルト勢力と関係を持っていた政府をなぜか真面目に支持し続けてしまっている点は、当時のフランスと全然違うが。
スタッフ/キャスト
監督 アラン・レネ
脚本 ホルヘ・センプルン
製作/出演
出演 シャルル・ボワイエ/フランソワ・ペリエ
登場する人物
セルジュ・アレクサンドル・スタヴィスキー/レフ・トロツキー
