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「ビーイング・チャーリー」 2015

ビーイング・チャーリー(字幕版)

★★☆☆☆

 

あらすじ

 リハビリ施設への出たり入ったりをくり返す薬物中毒の少年は、新たに入った施設で一人の女性と出会う。97分。

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感想

 麻薬中毒の主人公は、今は政治家として州知事を目指す元ハリウッドスターの息子だ。親の大豪邸に住み、自由に使える海辺の別荘もあるような裕福な暮らしをしていた。

 

 詳しくは説明されないが、主人公は有名人の親を持つ子供ならでは悩みから薬物に手を出したのだろう。本人は不幸な境遇だと自嘲気味だが、傍から見るとただの恵まれたお金持ちのお坊ちゃんにしか見えない。

 

 

 彼の両親は、主人公に無関心でも放任しているわけでもなく、薬物中毒になれば治療のためにリハビリ施設に入れるし、施設を抜け出して帰ってくればケアワーカーを呼んで一緒に待っているし、家出すれば監視させるしで、とても気にかけている。充実したサポート体制だ。それなのに主人公は、施設に入れるなんて親は酷い、愛されてなくてつらい、と不幸ぶっている。何を甘えたことを言っているのだと腹立たしくなる。

 

 そもそも施設を抜け出してまず目指すのが実家とか、父親から電話がかかってくればすぐに出ちゃうとか、困ったらとにかく家に連絡しちゃうとか、めちゃくちゃ親に甘えている。最終的には親が何とかしてくれると思っているただの子どもだ。施設で反抗する様子も幼稚で、見ていて恥ずかしくなるくらいだった。

 

 そんな主人公が、ある女性と出会ったことがきっかけでリハビリに真面目に取り組み、更生していく様子が描かれていくのかと思っていたのだが、問題が起きて途中であっさりと放り出してしまった。劇中でも言っていたが、リハビリは誰かのためではなく、自分のためにやらなければうまくいかないのだろう。誰かはいなくなる可能性があるが、自分とは最後まで付き合わなければならない。

 

 再び施設を飛び出してしまった主人公はひどい体験をして、ようやく人生を見つめ直す。そして父親とも和解をするのだが、そもそもお互いに大好きなのは見え見えだったので何を今さら感はあった。しかし親としてやるべきことをやっているのに、息子に罪悪感を覚えて謝罪までする父親は酷いどころか、とてもいい人だ。

 

 この映画は、実の息子が脚本を書いた監督のパーソナルな作品だそうだが、彼の家庭はずいぶんと素敵だったのだなと逆に感心してしまった。だが映画としてはぬる過ぎて、親に見捨てられ本当のハードモードで生きる人々は共感できなような気がする。だがこれもひとつのリアルな物語なのだろう。お金持ちの甘えたお坊ちゃんの成長物語だ。

『スタンド・バイ・ミー』ロブ・ライナー監督、息子の実体験を基にした最もパーソナルな新作|シネマトゥデイ

 

 

スタッフ/キャスト

監督

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脚本 ニック・ライナー/マット・エリソフォン

 

出演 ニック・ロビンソン/モーガン・セイラー/デヴォン・ボスティック/コモン/ケイリー・エルウィズ

 

 

 

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