★★☆☆☆
あらすじ
元ボクサーの刑事は、同じく元ボクサーの男とコンビを組んで仕事をするようになり、彼の恋人と3人で頻繁に会うようになる。
1947年に起きた有名な未解決事件「ブラック・ダリア事件」を題材とした同名小説の映画化作品。121分。
感想
未解決事件のミステリーと主人公らの三角関係が同時に描かれていく。だがとにかく情報量が多く、ついていくだけで精一杯だ。人物の相関関係を把握し、今、何が行われているのかを理解するのに必死で、物語を味わう余裕は全くなかった。
これは見る側だけの問題ではなく、映画自体もそんな感じでストーリーを提示するのに忙しく、人物をしっかりと描けていない。主人公の相棒が事件に異常にのめり込んでいく理由は後から明かされるが、だからかと頭では理解できても納得感はなかった。
終盤の主人公の金持ちの娘に対する想いや、被害者に対する感情も、何かあるのは分かるのだが、それが何なのかは伝わって来なかった。その他もすべて同様に、ぼんやりとしたものばかりになっている。
それから、映画ではわりとよく見るパターンだが、恋人同士の男女に男が加わる仲良し三人組、みたいな関係が全然ピンと来ないのも大きい。たまに会うくらいなら分かるのだが、いつも一緒となると理解できない。その中の一人くらいは実は嫌がっているのではないかと、気が気ではなくて落ち着かないし、何か不幸な出来事が必ず起きる。奇妙な三角関係というが、三角関係はだいたい奇妙だ。この映画もそうだった。
映画を見終わってまず感じたのは、なんとか置いてけぼりを食うことなくついていくことが出来たという安堵感だ。なんだか難しい授業を受けた学生のような気分になってしまった。雰囲気自体は悪くなかったので、理解した内容を踏まえてもう一度見れば、ようやく映画として楽しめるのかもしれない。
原作がそうなのだろうから仕方がないが、余計なことをしないで、普通にブラック・ダリア事件を描けばいいのに、と思ってしまう映画だ。
スタッフ/キャスト
監督 ブライアン・デ・パルマ
製作総指揮 ロルフ・ディール/ダニー・ディムボート/ジェームズ・B・ハリス/ヘンリク・ヒュイッツ/ジョセフ・ローテンシュレイガー/アヴィ・ラーナー/トレヴァー・ショート/アンドレアス・ティースマイヤー/ジョン・トンプソン
出演 ジョシュ・ハートネット/スカーレット・ヨハンソン/アーロン・エッカート/ヒラリー・スワンク/ミア・カーシュナー/マイク・スター/フィオナ・ショウ /レイチェル・マイナー/パトリック・フィッシュラー/トロイ・エヴァンス/ローズ・マッゴーワン /ウィリアム・フィンレイ
登場する作品
ホラー ミステリー 文学映画 コレクション 笑ふ男 DVD10枚組 ACC-184