★★☆☆☆
あらすじ
映画イベントに招待されたある女優のファンサイトを運営する男。滞在先のホテルで何者かが彼のPCに侵入し、脅迫して次々と指示を出すようになる。スペイン映画。
感想
冒頭の一時停止を繰り返す映像にイラっとさせられる。これから始まる映画に没入しようとするのを妨げられているような気になった。そして状況も良く分からず、そのまま事件に突入していく。主人公と同じ気分を味わせようという映画だ。
この物語はすべてPC上の画面で進行される。犯人からPCを通して連絡が来て、彼が送るURLを開くと、女優のスマホや監視カメラからの映像が映し出され、主人公の様子は自撮り映像だ。 PC上に開いたそれらウィンドウを行ったり来たりすることで、すべてが表現される。
このすべてがPCの画面上で進むというのが、どうも窮屈な感じがして仕方がなかった。スポーツの試合をテレビで観ているのではなくて、スポーツ中継しているテレビを撮影したものを見ているような。ただの平面の画像を見ているだけというか、結局普通の映画も平面を見ているだけなのだが、間に余計なものが挟まっているという興醒め感のようなものがずっとある。
さらに細かいことを言うと、画面上にそれぞれが重なる感じで雑にウィンドウを並べているのも少しイラっとした。ちゃんと整列させろよと。PCの画面だけで進行する、というのは面白い試みだとは思うが、終盤までこの状態が続くので、何とも言えない息苦しさがあった。冒頭のイライラから、ずっともやもやしたものを抱えたままで、没入できずじまい。
ストーリーも主人公がなぜ謎の男の指示にそこまで従うのか分からないし、謎の男は何をしたいのかいまいちよく分からないし、最後のどんでん返しもまあそんなところでしょうね、みたいな展開だ。あまり楽しめる部分が見つからなかった。
スタッフ/キャスト
監督/脚本/出演 ナチョ・ビガロンド
製作総指揮/出演 イライジャ・ウッド
出演 サーシャ・グレイ/ニール・マスケル/アダム・キンテーロ