★★★★☆
あらすじ
復活したヴァンパイア族の始祖ドラキュラと対決することになったヴァンパイアハンター、ブレイド。
感想
主人公ブレイドが敵の策略にはまって誤って人間を殺してしまい、殺人犯に仕立てあげられてしまうところから映画は始まる。人間のために戦っているのに、大衆から非難され攻撃されてしまうという悩ましい構図は、リアリティを重視した最近のアメコミ映画ぽさがあった。ただそれも最初と最後にほんのわずか描かれるだけで、中盤はそんなものはなかったかのように通常運転に戻っている。でもこういうシーンがあるだけで、大人も見られるアメコミ映画、といった印象になるので結構重要だ。
そして今回は、主人公が単独ではなく、ジェシカ・ビール演じる相棒の娘ら人間の仲間と共にチームで戦うのも特徴の一つとなっている。弓矢で戦う娘や、若干滑り気味ではあるがライアン・レイノルズ演じる軽口を叩いてばかりのコミカルな男といった個性的なキャラクターの登場で、一気に映画に幅が出た。中でもジェシカ・ビールの存在が映画を華やかにしてくれているのが大きい。そのおかげか戦うシーンが多めになっており、音楽も良いのであまり深く考えずに気楽に楽しめる映画となっている。
主人公に対するのは、長い眠りから復活したヴァンパイア族の始祖ドラキュラ。最終形態がライダーものの怪人のようだったが、敵キャラとしてはあまり魅力を感じなかったのが残念だ。ただそこはアクの強い仲間たちの存在でカバーをしている感じか。今作ではあまりグロテスクな描写はなかったが、前作に登場した進化したヴァンパイアのように、口が裂けたかのように気味悪く口を開くポメラニアンやドーベルマンといった犬たちが登場しており、なかなかキモくて可愛かった。わずかな登場時間しかなかったが楽しませてくれた。「バイオハザード」シリーズでもあったが、動物を怪物化させるのはこの手の映画シリーズものでは定番といえそうだ。
三作目ではあるのだが、マンネリを感じる事もなく普通に楽しむことが出来た。このシリーズは三作とも監督が違うが、それぞれ三者三様の特色が出ており、結果的にはバラエティーに富んだ内容となっているので良かったのではという気がする。
スタッフ/キャスト
監督/脚本/製作 デヴィッド・S・ゴイヤー
製作/出演 ウェズリー・スナイプス
製作総指揮 アヴィ・アラッド/トビー・エメリッヒ/スタン・リー
出演 ジェシカ・ビール/ライアン・レイノルズ/クリス・クリストファーソン/ドミニク・パーセル/パーカー・ポージー/ナターシャ・リオン/トリプルH/ジェームズ・レマー/ジョン・マイケル・ヒギンズ/カラム・キース・レニー/パットン・オズワルト/クリストファー・ハイアーダール
音楽 ラミン・ジャヴァディ/RZA
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