★☆☆☆☆
あらすじ
レストランでのパーティーに潜り込んだ女は、主催者であるIT長者の男に誘われ、彼の所有する島に向かうプライベートジェットに乗り込む。
チャニング・テイタム、クリスチャン・スレイター、ジーナ・デイビスら出演、ゾーイ・クラビッツ監督。102分。
感想
金持ちの男に誘われ、無人島でのリゾートを楽しむグループに加わった女が主人公だ。しがない生活から突然ハイクラスな集団に身を置けたことにはしゃいでいたが、やがて彼らに不信感を抱き始める。
ドラッグをやったりしながらも男女の一線を越えてこない子供のような男たちに、逆に何かがおかしいとぼんやりとした疑惑を生じさせる展開だ。当然、そのぼんやりとした疑いが次第にくっきりとしたものとなり、男たちの企みが明るみになっていくものだと思っていたのだが、いつまで経ってもそうはならない。
主人公はあることがきっかけで疑惑が確信に変わり、やがて男たちの非道な行いをはっきりと理解する。しかし、彼女が何かを悟ったらしいことは分かるものの、その説明があまりにも不十分で、観客の疑惑はぼんやりとしたままだ。どうやら香水や毒蛇が関係しているらしいと分かるくらいで、具体的にどう作用しているのかは分からない。ひとり合点して行動を始めた主人公を、置き去りにされた気持ちで見守るしかないのは辛かった。
また、単なるホラーではなく、風刺を効かせたユーモアを織り交ぜようとする意図も感じる。ダンスの最中に、女性が男性の視線から外れたところで嫌そうな顔をするシーンなどは、男といる時の女は大体楽しそうなふりをしているだけだから勘違いするな、と毒を吐いているようにも見える。もしかしたら女性が見れば、共感して笑えるポイントがたくさんあるのかもしれないが、いまいちピンと来なかった。それに笑いとしても分かりづらいような気がする。
その他、男たちの非道に協力する女、悪事には加わらないが、かといって女を助けるわけでもなく傍観するだけの男など、性的な事件で見られる有害な男女の振る舞いも皮肉って見せているが、これまた分かりづらい。
映像や音楽の雰囲気が良くて期待したが、ずっとぼんやりとした内容で段々と腹立たしくなってくる。先行きが見えない展開が続く前半もしんどかった。
また、金持ちの男たちが女たちを搾取する「エプスタイン事件」を連想させる内容だが、同じメンバーで長期間もバカ騒ぎを続けられるのか?等、リアリティーを感じない設定が多くて、うまく物語に落とし込めてない感じもある。
《エプスタイン事件とは何なのか?》「1日に3度の快感を」“島”で少女を囲って性的虐待、セレブへの斡旋疑惑…突然死した大富豪が残した“大きな謎” | 文春オンライン
適当にやったわけではなく、無駄のない小粋で洗練された映画を目指したことは伝わるが、それがうまくいかなかった印象だ。怖くもなく、笑いもなく、ただぼんやりとした独り相撲の映画になってしまった。
スタッフ/キャスト
監督/脚本/製作 ゾーイ・クラビッツ
脚本 E・T・ファイゲンバウム
製作/出演 チャニング・テイタム
出演 ナオミ・アッキー/クリスチャン・スレイター/サイモン・レックス/アドリア・アルホナ/カイル・マクラクラン/ハーレイ・ジョエル・オスメント/ジーナ・デイビス/アリア・ショウカット
音楽 チャンダ・ダンシー
撮影 アダム・ニューポート=ベラ
編集 キャスリン・J・シューバート
