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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「ブエノスアイレス事件」 1973

ブエノスアイレス事件 (白水Uブックス 63)

★★★☆☆

 

あらすじ

 心を病んで療養中だった女が、ある朝突然いなくなってしまったことが明らかになる。

 

感想

 ある朝、女が突然いなくなってしまったことから始まる物語だ。なぜそんなことが起きたのか、その過去が明らかになり、そしてその後が描かれていく。映画のような構成だが、各章の冒頭に映画からの引用もされており、映画への強い関心を感じる作品となっている。

 

 最初は物語の流れがうまく飲み込めずに、多少の戸惑いがあった。だが次第に、心を病んだ男女の物語であることが分かってくる。まずは互いの過去が紹介されていくが、それが両親の話から始まるところなどはラテン文学らしさがある。

 

 

 色んな過去を抱え、心を病んだ男女が出会い、そしてすれ違う。彼らの気持ちが通じたのはほんのわずかな期間しかない。幸福に交わったかと思った次の瞬間には、もう心がすれ違い始めている。

 

 そんな両者の様子が綴られていくが、その描写に趣向が凝らされていて面白い。架空のインタビュー方式だったり、頭のなかの妄想だったり、片方の電話の声だけで構成されて進行していく。長々と続くと多少しんどくなったが、今度はそう来たかと興味深く読み進められた。

 

 ラストは絶望する女が、隣の部屋の幸せそうな家庭を築く女の気分を味わいながら、目を閉じるシーンで幕を閉じる。幸せはこんな近くにあるのに、それは自分のものではない。なんとも切ない余韻が訪れる。

 

 よく分からないところもあったので、もう一度最初からじっくりと読み返したくなった。何度も読み返すことで理解が深まりそうな物語だ。

 

著者

マヌエル・プイグ

 

 

 

登場する作品

椿姫(字幕版)

「ジャングルの女王」 ウィリアム・ティーレ監督

「母の嘆き(ミルドレッド・ピアース(字幕版))」

「偉大なる神ブラウン」 「現代アメリカ文学全集〈第13〉喪服の似合うエレクトラ・偉大なる神ブラウン・夏と煙・愛国者 (1959年)」所収

「愚かな貴婦人(La dama boba)」

「不毛」 ガブリエラ・ミストラル

デミアン(新潮文庫)

「対位法(恋愛対位法 上 (岩波文庫 赤 259-1))」

「すげかえられた首」 「だまされた女/すげかえられた首 (光文社古典新訳文庫)」所収

「取り残された夜(Out of the Night (English Edition))」

「わたしは自由を選んだ(I Chose Freedom (English Edition))」

「鉄のカーテン(Le rideau de fer / The Iron Curtain ( Behind the Iron Curtain ) [ Origine Espagnole, Sans Langue Francaise ])」

「アルジェリア」

椿姫(字幕版)

グランド・ホテル(字幕版)

「宿命(1956)」

「優しい仲間(夫は還らず)」

「女たち(ザ・ウィメン)」

(字幕版)上海特急

「八時の夕食(晩餐八時(字幕版))」

「心から心へ(塵に咲く花(字幕版))」

*「ペペ・ル・モコ」

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「明日泣く」

ファニー・ガール (字幕版)

「ジークフリートの狂乱((字幕版)美人劇場)」

「雌狼((字幕版)偽りの花園)」

「白鳥の歌(El canto del cisne)」  カルロス・ウーゴ・クリステンセン監督

「トゥランドット(プッチーニ: 歌劇《トゥーランドット》 (期間限定盤) [DVD])」

ギルダ (字幕版)

 

 

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