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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「ブレット・トレイン」 2022

ブレット・トレイン (字幕版)

★★★★☆

 

あらすじ

 久々に仕事に復帰した運び屋の男は指示された新幹線に乗り込むが、そこで殺し屋たちの戦いに巻き込まれていく。

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感想

 日本の新幹線が舞台だ。とはいってもリアルに新幹線車内を再現したわけではなく、日本に関心がない欧米人がイメージするようなオリエンタルでハイテクでカワイイな、なんちゃって新幹線となっている。真面目な日本人なら「全然違う!」と怒るのかもしれないが、はなからイメージ重視でリアルに寄せる気が全く無いことが伝わってくるので、むしろ清々しさがある。リアルを知っている日本人だけが、そんなわけない、と豪快な間違いを面白がれる。逆にお得な気分だ。映画のテイストとも合致している。

 

 他国の人たちにはエキゾチックなムードを感じるのに貢献しているだろう日本人が多く参加しているサウンドトラックも面白い。ちなみに麻倉未稀の「ヒーロー」を聴くと「スクール・ウォーズ」を思い浮かべてしまうが、それは日本人の一部だけだろう。

 

 新幹線の中で殺し屋たちが殺し合うストーリーだ。そう聞くと殺伐としたものを思い浮かべてしまうかもしれないが、実際はコミカルでトボけた雰囲気の中で進行する。そもそも主人公が自身の運の悪さをボヤき、メンタルヘルスの重要性を唱えていることからして面白い。運び屋として車内で荷物を引き取って一駅で降りるつもりだったのに、毎回下車することがなぜかできずにズルズルと争いの中に巻き込まれていく。

 

 

 乗り合わせている他の殺し屋たちも皆個性的でキャラが立っている。それぞれがいいタイミングで手際よく紹介されるので、誰が誰だか分からなくなって混乱する事もない。この中では、二人組の殺し屋のうちの一人で、きかんしゃトーマスが大好きな男、レモンが気に入った。なんでもトーマスで例えようとするお喋りで適当そうだったのに、皆が騙される中ひとりだけ相手の本質を見抜いたシーンはカッコ良かった。

 

 大雑把でむちゃくちゃで荒唐無稽なストーリーなのだが、伏線がしっかりとしており、サブストーリーを織り交ぜながらテンポよく進行する。呆れることも飽きることもなく最後まで楽しめた。下手すればスベり倒してしまいそうな危険もある中で、しっかりと笑いも取れている。誰かが真面目に語っている時に、主人公が話を拒もうとしたり、解せない顔をするのが可笑しかった。

 

 原作の雰囲気とはだいぶ変わってしまっているが、これはこれで良く出来たエンタメ作品に仕上がっている。

 

スタッフ/キャスト

監督/製作/出演 デヴィッド・リーチ


原作

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製作    ケリー・マコーミック/アントワーン・フークア

 

出演

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ジョーイ・キング/アーロン・テイラー=ジョンソン/ブライアン・タイリー・ヘンリー/アンドリュー・小路/真田広之/マイケル・シャノン/サンドラ・ブロック/ベニート・A・マルティネス・オカシオ/ローガン・ラーマン/ザジー・ビーツ/マシ・オカ/福原かれん/パシャ・リチニコフ/*チャニング・テイタム/*ライアン・レイノルズ

*ノンクレジット

 

ブレット・トレイン - Wikipedia

 

 

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