★★★☆☆
あらすじ
芸術家の男は、恋人の弟から聞いた「キャンディマン」の都市伝説に興味を持ち、調査を始める。
ジョーダン・ピール脚本。1992年の同名映画の精神的続編。99分。
感想
鏡が重要なモチーフになっているホラー映画だ。それを暗示するかのように、映画冒頭に表示されるユニバーサルやMGMのカンパニーロゴが左右反転しているのは面白い演出だ。鏡の中から世界を見ているような気分になる。
鏡に向かって「キャンディマン」と5回唱えると不吉なことが起きる、という都市伝説のある町が舞台だ。黒人アーティストがそれを題材にした作品を発表したことから、 キャンディマンによる惨殺事件が続発するようになる。
鏡を通してしか見えないキャンディマンによる凶行の描き方は巧みで、ゾワゾワとした恐怖を煽る。また、刃物で喉を切り裂いたり、かさぶたを剥がして血が滲み出たりと、痛さが伝わってくる表現も見事だ。
キャンディマンの正体は次第に明らかになってくるが、その内容はあまりにも残酷で前近代的だ。都市伝説というよりも、金田一シリーズのような村の因習めいている。だがそれはアメリカで実際に起きていたことだ。
また、低所得者向けの高層住宅がスラム化し、それを取り壊して高級住宅街にしたことや、住民が警官を恐れて通報をためらうことなど、根深い人種的偏見があることも示唆していて、アメリカの暗部を浮かび上がらせている。
そしてラストでは、中世のような野蛮な因習がまだ続いていることが示される。本当にホラーなのはこちらだった。だからキャンディマンが生まれるのは必然だったのだろう。それまでは、彼の行動原理がはっきり分からずにもやもやする部分もあったが、ここでははっきりしていて痛快だった。スーパーヒーロー誕生の瞬間、みたいな高揚感を醸し出しているのも面白い。
メッセージ性がややあからさまな印象もあるが、社会問題を訴えつつも純粋にホラー映画として楽しめるように仕上がったホラー映画だ。
スタッフ/キャスト
監督/脚本 ニア・ダコスタ
脚本/製作 ジョーダン・ピール/ウィン・ローゼンフェルド
原作 キャンディマン (字幕版)/「禁じられた場所」 「マドンナ 血の本(5) (血の本) (集英社文庫)」所収
出演 ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世/テヨナ・パリス/ネイサン・スチュワート=ジャレット/コールマン・ドミンゴ/トニー・トッド/ヴァージニア・マドセン(声)
キャンディマン (2021年の映画) - Wikipedia
登場する作品
シリーズ前作 第3作
前作


![Candyman 3: Day of the Dead [DVD] Candyman 3: Day of the Dead [DVD]](https://m.media-amazon.com/images/I/51QA84441CL._SL500_.jpg)
