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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「チョコレートドーナツ 」 2012

チョコレートドーナツ(字幕版)

★★★★☆

 

あらすじ

 1979年、女装パフォーマーとして生きる男は、麻薬中毒の母親に置き去りにされた隣室のダウン症の少年を見かねて、恋人の検察官と協力して引き取り、共に育てようとする。

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 アラン・カミング主演。原題は「Any Day Now」。97分。

 

感想

 女装パフォーマーとして働く男が主人公だ。交際を始めた検事の男と共に、隣室に放置されたダウン症の子供を引き取ろうとする。

 

 主人公が何としてでも引き取ろうとする理由は語られないが、孤立無援の少年の境遇に自身の人生を重ねたのだろう。少年を見つめる彼のまなざしが、それを物語っている。

 

 

 また、カミングアウトしていなかった恋人の検事が、隠すことなく裁判に臨んでいたのも不思議な感じがしたが、当初は誰にも気づかれないとタカを括っていたのだろう。そして、結局同僚らにバレてしまい、クビになったことで開き直り、少年のために全力を尽くす覚悟が決まった。

 

 少年を巡る裁判では、同性愛者である主人公の、保護者としての適性を問う激しい応酬が繰り広げられる。いつの間にかその論争に飲み込まれてしまっていたが、それがヒートアップした時に、恋人が放った言葉にはハッとさせられた。重要なのは少年にとっての幸せで、背が低く太った知的障がい児を欲しがる人間は自分たち以外におらず、彼も望んでいるのに、一体何が問題なのだ?という訴えには肯くしかない。シンプルな話だ。

 

 賢いはずの大人たちが、よく考えると何のためにやっているのか分からない不毛な争いに明け暮れているのをしり目に、当の少年が何の偏見もないまっさらな目で冷静に判断を下し、すべてをちゃんと分かっているのは皮肉だ。やはり子どもの方が、新しい時代に柔軟に対応できるのだろう。

 

 一度は挫折するも、新たな弁護士を雇い、活路も見え始めた矢先、相手が繰り出してきた手には呆然としてしまった。大事なのは当事者である少年の未来だと言っているのに、それをすることで誰が得をするというのか。もはや単なる嫌がらせにしか思えない。だが世の中を見渡せば、そんなことをする人たちはたくさんいたりする。

<社説>夫婦別姓先送り 自民の言い訳見苦しい:東京新聞デジタル

 

 大の大人が集まり、時間をかけて導き出した結論は、少年に残酷な運命を強いることになった。言葉がない。彼らに欠けていたのは、柔軟さなのか、想像力なのか。ずっしりと重苦しい余韻が居座り続ける。

 

 挿入歌や歌手を目指す主人公の歌が、物語の行く末を示し、ミュージカルのようにも感じる演出が面白い。簡潔にテキパキと進行する映画だ。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本/製作 トラヴィス・ファイン

 

脚本 ジョージ・アーサー・ブルーム

 

出演 アラン・カミング/ギャレット・ディラハント/アイザック・レイヴァ/ドン・フランクリン/フランシス・フィッシャー/グレッグ・ヘンリー/クリス・マルケイ/アラン・レイチンス/ケリー・ウィリアムズ/ミンディ・スターリング/ランディ・ロバーツ/マイケル・ヌーリー/クライド・クサツ

 

音楽 ジョーイ・ニューマン

 

チョコレートドーナツ - Wikipedia

 

 

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