★★★★☆
あらすじ
テロリスト集団に全米のネットワークがハックされて大混乱する中、連行していたハッカーと共に立ち向かう警察官。
シリーズ第4作目。原題は「Live Free or Die Hard」。129分。
感想
人気シリーズの十数年ぶりの続編だ。主演のブルース・ウィリスが小ぎれいなおじさんになっていて雰囲気が違うなと思ったが、よく見れば無精ひげも生やしているし、記号的にはむさくるしいおじさんではある。そう見えないのは健康で文化的な生活を送っていそうな肌ツヤの良さのせいだろうか。
シリーズのイメージとしては、主人公にはもっとやさぐれた中年になっていて欲しかったが、それでも合間合間に何かと文句を言ったりボヤいたりしていて「ダイ・ハード」らしさはちゃんと出ていた。ちょっと自信満々すぎるかなと思わなくもないが、これまでに三度も「ダイ・ハード」しているわけだから、貫禄がついてしまうのは仕方がない。
今回の相棒となるジャスティン・ロング演じる若きハッカーは、有能ながらも自分を卑下して、すぐに弱音を吐くような男だ。若い頃の主人公とよく似ている。マッチョでない二人はまるで疑似親子のようでいいコンビだ。
全米の情報セキュリティの穴をついて乗っ取ろうとするテロリストたちに、主人公がハッカーを相棒に立ち向かう物語だ。激しいアクションに次ぐアクションで目が離せず、程よく息をつける凪いだ時間も用意されていて、高いテンションを保ったまま展開されていく。
アクションは荒唐無稽さがないわけではないが、ど派手で楽しい。中でも今回はヘリコプターや戦闘機といった空飛ぶ系の相手との陸対空の対決に見応えがあった。圧倒的に不利なのに無茶苦茶なアクションで倒していく。
登場時間は短かったが、父親譲りのタフネスぶりを見せる娘もカッコ良かった。彼女でダイ・ハードの女版をやったら面白くなりそうだ。
クライマックスも気持ちよく決まり、かなりの満足感を得られた。主人公のキャラに加えて、外部と連絡を取りながらの単独行動や、敵の占拠する施設への潜入など、シリーズのエッセンスが多数盛り込まれているのが功を奏している。正直あまり期待していなかったのだが、思いのほか楽しめた。
スタッフ/キャスト
監督 レン・ワイズマン
出演 ブルース・ウィリス/ジャスティン・ロング/ティモシー・オリファント/メアリー・エリザベス・ウィンステッド/マギー・Q/シリル・ラファエリ/クリフ・カーティス/ケヴィン・スミス/サン・カン/ジェリコ・イヴァネクジェイク・マクドーマン/クリス・エリス/マット・オリアリー/ティム・ラス/エドアルド・コスタ/ヤンシー・アリアス
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