★★★☆☆
あらすじ
少年院から戻ってきた不良少年は、大阪の繁華街キタとミナミ、それぞれを支配する不良グループと喧嘩しながら、どこにも属さず仲間と好き勝手に遊んでいた。
島田紳助、松本竜介、升毅、上岡龍太郎ら出演、井筒和幸監督。115分。
感想
大阪の喧嘩に明け暮れる不良少年たちの物語だ。少年院から戻った主人公は、二大勢力のどちらにも属さず、仲間とつるんで気ままにやっている。最初におおまかな彼らの勢力図の説明があったはずだが、セリフが非常に聞き取りづらく、全然把握できなかった。だがその後の彼らの動きをよく観察することで、ようやく関係性が見えるようになってくる。
セリフの聞き取りづらさはずっと続くので、終始ストレスを感じながら見る羽目になる。セリフよりもノリや勢いを重視したのだろう。各シーンの細かい部分は分からないこともあるが、大まかなストーリーは一応ちゃんと分かる。
大きなグループに属さない主人公らは、町で不良に出会うたびに喧嘩している。フットワークの軽さに感心するが、他の犬を見るたびにキャンキャンと吠える、しつけされていない犬みたいなもので、これが動物本来の姿なのかもしれない。彼らには原始的なエネルギーが満ちている。
そして、「暇」だというのも大きいだろう。スマホなんて当然なく、家に帰ってもすることはない。なにか面白いことがないかと町をほっつき歩いているわけなので、喧嘩はもってこいの娯楽なのかもしれない。気軽に因縁をつけ、喧嘩のために場所を移動する時も楽しそうだ。負けて殴られている方が「もういいでしょ?」とうんざりして抗議したり、度を越しそうになると自然と誰かが止めに入ったりと、彼らの中に暗黙のルールがあるらしいことが見えてくるのも面白い。プロレスみたいだ。
そんな風に仲良く喧嘩していた彼らだが、キタのグループのリーダーが不文律を破り、無茶苦茶やり出したことから関係のバランスが崩れてしまった。度を越した行為が横行し、プロレスラーがキレてガチになってしまった時のような、笑えない空気になってきた。暴力的行為は必ずエスカレートする。じゃれてるつもりがいじめになり、冗談のつもりがDVとなる。
状況が変化して、群れないはずだった主人公は、担がれてミナミのリーダーとなった。ツルんでいた仲間が離れしまい、悲惨な結末に向かっていく終盤は、寂しさと悲しみに包まれる。一つの時代の終わりはいつも切ない。
島田紳助、上岡龍太郎、北野誠ら吉本芸人のギラギラとした若かりし頃が見られるのも見どころだ。そしてこのテイストが、井筒監督のその後の作品である「岸和田少年愚連隊」や「パッチギ!」につながっていったのもよく分かる。
スタッフ/キャスト
監督/原案 井筒和幸
脚本 西岡琢也
出演 島田紳助/松本竜介/趙方豪/升毅/北野誠/紗貴めぐみ/大杉漣/夢路いとし/上岡龍太郎/木下ほうか/徳井優
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