★★☆☆☆
あらすじ
北海道の田舎町。経営するコンビニを妻に任せきりにしていたが、妻の入院により代わりに働かざるを得なくなった男。
感想
突然店を任されてしまったオーナーの物語と、そのコンビニに集まる人たちの人間模様が描かれる。割とよくある設定でありながら、人間模様の描き方も浅いので面白みが薄く、取り止めのない時間が流れていく。これを見ているのは結構つらい。
せめて核となる小日向文世演じるコンビニオーナーの主人公の物語は、しっかりと描いて欲しかったが、全然何も見えてこない。以前の農家時代を引きずり、コンビニの仕事に身が入らない主人公が、変わっていく姿を描いているつもりだろうが、ただ状況に流されているだけにしか見えなかった。
それに進学を控えた娘との関係もなかなか歪で、あまりリアリティが感じられない。娘は父親が自分に関心がないことにいじけており、父親はそれが引け目となって強く言えない。それでも互いに気にかけているのだから、結局は衝突しそうなものなのに、それもなく、すっと娘は出て行ってしまう。それを行かせてしまう父親もどうかと思うが、最初から何も言おうとしなかった、そもそもの娘の行動も有り得ないなと思ってしまった。
結局、主人公は最後まで受け身のまま。エンディングでは、主人公は変わった、という事になっているようだが、何も変わっていないように思える。それから「銀のエンゼル」というタイトルから、5枚集めればプレゼントがもらえるが、5枚集められることは稀、という誰もが共感できるあるあるに引っ掛けて、何かを示唆しようとしているのだろうが、それについて深く考察してみようという気にはならない映画だった。
スタッフ/キャスト
監督/原案 鈴井貴之
出演 小日向文世/佐藤めぐみ/山口もえ/峯村リエ/安田顕/斉藤ルミ子/戸次重幸/村上ショージ/輪島功一/浅田美代子/有安杏果/嶋田久作/大泉洋/西島秀俊
音楽 長嶌寛幸