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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「グリーン・ホーネット」 2011

グリーン・ホーネット (字幕版)

★★★☆☆

 

あらすじ

 死んだ父親の後を継いで新聞社の社長となった男は、父の元運転手だった日本人と共に夜な夜な正義のために悪党を倒すようになる。

 

 ラジオやテレビのドラマで人気だった作品の映画化作品。

 

感想

 主人公グリーン・ホーネットの助手を務める日本人・カトー役を、日本人ではないジェイ・チョウが演じ、しかも「カトウ」ではなく「ケイトー」と呼ばれていることにモヤってしまったが、テレビドラマ版ではブルース・リーが演じて出世作になったくらいだから、間違ってはいない配役かもしれない。

 

 これはそこまで気にならなかったが、きっとこういう世界中の人々のモヤモヤが積もり積もった結果が、昨今のハリウッド映画に対するホワイトウォッシング批判につながっていったのだろう。

ホワイトウォッシング (配役) - Wikipedia

 

 この助手は、添え物みたいな扱いなのかと思っていたが、カンフーは強いし、発明は出来るしで、なんなら主人公よりも全然カッコいい役どころだった。

 

 一方の主人公は、そんなスーパーな助手におんぶに抱っこのキャラクターで全然カッコ良さがない。コメディを担当しているつもりなのかもしれないが、お金持ちのお坊ちゃんが立場を利用し、ただ調子の良いことを言っているだけの、悪ふざけをしているだけに見えてしまって、まったく好感は持てなかった。

 

 

 そんな主人公は途中で本当の正義に目覚め、新聞社の社長として正しい行いをしようとする。この時に彼が、「だが俺はジャーナリズムを知らない」と有能な秘書に助言を求めたのはとても印象的だった。

 

 放蕩三昧していたバカ息子でも、生半可な知識でやるべきでないことはちゃんと理解している。日本だと「ジャーナリズムを知らない」ことすら知らない人間ばかりが報道をやっているような状態なのに、と感心してしまった。

 

 こういう事はその職に就いた者だけに現場で教えていくものではなくて、その前にすべての人が持つべき基礎知識として身に付けさせておかなければならない事なのだろう。そうでないと、頓珍漢なジャーナリストとしての姿勢を平然と語る人間が現れる世の中になってしまう。

jj-jj.net

 

 クリストフ・ヴァルツ演じる敵役は、最初の登場シーンこそ見ごたえがあったがその後はいま一つ。アクションシーンは工夫は感じられるが分かりづらい部分が多くて、色々と惜しく感じてしまう映画だった。コメディ部分もその場が醸し出している雰囲気ほど笑いはなかった。

 

 ただ最後の新聞社でのクライマックスシーンは無茶苦茶で、こんな派手で豪快な襲撃が現実に起こったらとんでもない言論弾圧事件だなと笑えてきて面白かった。

 

スタッフ/キャスト

監督 ミシェル・ゴンドリー

 

製作総指揮 エヴァン・ゴールドバーグ/マイケル・グリロ/オリ・マーマー/ジョージ・W・トレンドル・Jr

 

脚本/製作総指揮/出演 セス・ローゲン

 

出演 ジェイ・チョウ/キャメロン・ディアス/トム・ウィルキンソン/クリストフ・ヴァルツ/デヴィッド・ハーバー/エドワード・ジェームズ・オルモス/ジェイミー・ハリス/チャド・コールマン/エドワード・ファーロング/ジェームズ・フランコ/テイラー・コール/アナリー・ティプトン

 

音楽 ジェームズ・ニュートン・ハワード

 

グリーン・ホーネット (映画) - Wikipedia

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