★★★☆☆
あらすじ
英語学校に通う若い女と知り合い、彼女の叔母の家に大金があることを知った男は、友人とともに盗み取る計画を立てる。
ジャン=リュック・ゴダール監督、アンナ・カリーナら出演。フランス映画。原題は「Bande à part」。96分。
感想
若い男女三人組が大金を奪おうとする物語だ。だが、彼らは綿密な計画を立てるわけでもなく、前半は三人でフラフラとしながら、なんとなく段取りを決めていくだけだ。
おかげで最初は何をやっているのかよく分からなかったが、段々と映画の雰囲気が掴めるようになってきた。序盤は男女三人の微妙な関係とアドリブ的なノリが描かれる。カフェで突然一分間黙り込んでみたり、ルーヴル美術館内を全力疾走で駆け抜けたりと、よく分からないと言えば分からないのだが、つい引き込まれてしまう面白いシーンが散りばめられている。
特に魅力的だったのは、三人がダンスするシーンだ。振りを付けて踊る三人の姿が結構な時間続くのだが、全然イヤではない。楽しい気分になって、むしろもっと見ていたいくらいだった。
やがて犯行決行の日がやってくる。だが彼らに緊張感はない。家に侵入する時も、侵入してからも無駄な動きが多く、だらだらとしたままだ。ただ、それまでそんなことなかったのに、急に男二人が家へ引き入れた女に対して暴力的になるのが不思議だった。
彼らにもさすがに焦りや不安が生じたのかもしれないが、それよりも「犯罪者」という役柄を演じようとする意識が強いように見える。彼らにはどこか地に足がついていないような、フワフワとしたところがある。無軌道で刹那的な(いつの時代にもいる)今どきの若者ということなのだろう。自分がないからアドリブで応じ、誰かの真似をする。
想定外の出来事に一度撤退し、翌日に出直した男たちだったが、前日に使った梯子をしまい忘れ、さらに事態が悪化したのには苦笑してしまった。間抜けな犯行だ。そして、それにふさわしいグダグダな結末を迎えることになる。
ゴダール映画ということで難解なのかと身構えてしまったが、いざふたを開ければ純粋に楽しめる犯罪映画だった。肩ひじ張らずに見ることができる。
スタッフ/キャスト
監督/脚本
出演 アンナ・カリーナ/サミー・フレー/クロード・ブラッスール
音楽 ミシェル・ルグラン
撮影 ラウール・クタール
編集 アニエス・ギュモ
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