★★★☆☆
あらすじ
フィンランドの極寒の森林地帯で、父親にサバイバル術を教え込まれながら生活していた少女は、倒さなければいけない存在がいることを知らされる。
ケイト・ブランシェット、エリック・バナ、トム・ホランダーら出演、ジョー・ライト監督。112分。
感想
大自然の極寒の地で、過酷なサバイバル技術を叩き込まれながら暮らす少女が主人公だ。外の世界に行きたいと望むようになったところ、父親に倒すべき存在がいることを明かされ、その覚悟が出来たらここから出られると告げられる。
そして、決意を固めた主人公は外の世界に飛び出す。敵陣に乗り込み、目的を果たした後、父親との合流予定地に向かう計画だ。殺し屋少女の物語、といった趣だが、アクションは要所のみで、どちらかというと外の世界に出た少女の成長譚や冒険譚がメインとなっている。敵の女を倒すのに父親も協力すればいいのにと思ったが、これもまた彼女に課された試練、という意味合いがあるからだろう。通過儀礼だ。
主人公は、目的地に向かう道中で人々と触れ合い、同世代の友人と出会い、恋のようなものをする。文明から隔絶された地で父親と二人きりで生きてきた彼女が、初めて目にする世界を興味津々で見つめるまなざしが実にいい。電気の明かりに驚き、プールの水を飲んでしまう様子は可笑しかった。
父の教えを胸に常に警戒は怠らず、彼女なりに現実世界に適応しようとしていたが、思わず大事な情報を友人に漏らしてしまったのは、彼女の中に残っていた幼さのせいだろう。だが、彼女ぐらいの年代であれば、当然のことだ。そして、本人は知らないが、彼女を助けた者たちが殺されていく苦さもある。
物語が進むにつれ、彼女の過去も少しずつ明らかになっていく。幼い少女が大人相手に互角以上に戦えるのは、納得の理由があることも判明する。ただ、小出しに最低限の情報しか教えてくれないので、毎回、咀嚼して理解する時間が必要だ。すぐにはピンと来ない。映画全体を見てもすべてが抑制的で、それがこの映画のスタイルとなっているが、抑えすぎな印象はある。
雰囲気のある映画で悪くはないが、物足りなさも感じてしまう映画だ。鮮やかなラストも、そこまで気持ち良さはなく、スッキリ爽快とはならなかった。
スタッフ/キャスト
監督 ジョー・ライト
脚本/原案 セス・ロックヘッド
脚本 デヴィッド・ファー
出演 シアーシャ・ローナン/エリック・バナ/ケイト・ブランシェット/トム・ホランダー/オリヴィア・ウィリアムズ/ジェイソン・フレミング/マルティン・ヴトケ
音楽 ケミカル・ブラザーズ
