★★★★☆
あらすじ
神の子を名乗るヘラクレスは、反乱軍に苦しめられている王国を助けるために、仲間と共に現地に向かう。
ギリシア神話の英雄ヘラクレスを題材にした物語。98分。
感想
ライオンを倒すなど数々の伝説を持つ男、ヘラクレスが主人公だ。神話とは違い、この物語では神の子と称しながらも普通の人間ということになっている。数々の伝説は敵をビビらすための設定だ。
だが相手がビビって戦わずに済むなら、そんないいことはないので賢いやり方と言える。情報戦や外交を駆使して、いかに戦わずに勝てるかで国や集団の強さが測れるところがある。何かあったらすぐに有事だ、戦争だと、いきり立ってしまうような国は、そこらのチンピラと同じで侮られてしまうだろう。
主人公のヘラクレスを演じるドウェイン・ジョンソンは、そんなはったりに説得力を持たせるような存在感を放っていて流石だった。彼の仲間たちも予言者や語り部、弓の名手の女など、皆キャラが立っている。もっとしっかり仲間たちのエピソードや活躍を見たかった気もするが、そうすると冗長になってしまうので仕方がない。それでもそれなりにちゃんと描けているのだから褒めるべきだろう。
主人公らは、反乱軍を鎮めるためにある国に雇われる。国に残った最後の戦力である実戦経験の乏しい農民たちを鍛えて戦いに挑む様子は、どこか「七人の侍」ぽさがあった。付け焼刃の最初の戦いではなんとか勝利をおさめ、万全の態勢で臨んだ次の戦いでついに敵を完全に打ち負かす。この展開には気分が盛り上がった。
そして大軍同士の戦いが終わった後、今度は主人公と仲間による敵との戦いが始まる。この流れも良い。大軍勢でのダイナミックな戦いと、主人公ら個人にフォーカスを当てた戦いの両方が楽しめるようになっている。その前の騎馬を馬ごと放り投げる主人公もすごかったが、この終盤の戦いにおける主人公の怪力ぶりには興奮させられた。かなり荒唐無稽なのに、なぜか惹き込まれてしまう。
100分に満たない映画なので、こじんまりとした小品かなと思っていたが、オーソドックスでありながらもスペクタクルがあり、しっかりと楽しめる娯楽作品に仕上がっていた。尻上がりに良くなっていく。エンドクレジットもクールで、いい余韻に浸れた。サクッと見るには最適の映画だ。
スタッフ/キャスト
監督/製作 ブレット・ラトナー
原作 Hercules: The Thracian Wars (English Edition)
製作総指揮 ロス・ファンガー/ジェシー・バーガー/ピーター・バーグ/サラ・オーブリー
出演 ドウェイン・ジョンソン/イアン・マクシェーン/ルーファス・シーウェル/ジョセフ・ファインズ/ピーター・ミュラン/ジョン・ハート/アクセル・ヘニー/リース・リッチー/レベッカ・ファーガソン/イリーナ・シェイク

