★★★★☆
内容
NHK Eテレで放送された「ハリウッド白熱教室」の書籍化。
感想
昔テレビで放送されているのをちらっと見て、面白いなと思った記憶のあるテレビ番組が書籍化されたもの。「脚本」「ビジュアル・デザイン」「撮影」「編集」「音響効果」という5つの映画技術を一つずつ解説していく。
様々な映画のワンシーンを挙げながら説明され、それを文章だけで理解しなければいけないというのがちょっと困るが、題材となるシーンについては詳細を説明されるので何とか理解できる。本当は映像を見ながら説明を聞くのが一番いいのだろうが、本なので仕方がない。
様々なテクニックを使って、映画の中の時間の進み方をゆっくりだったり早くだったり、観客に感じさせることができるという話が面白かった。ロングショットなのかクローズアップなのか、画面構成が賑やかなのかシンプルなのか、そのチョイスだけで自在に観客の体感速度を操ることができる。ときどき映画が間延びして感じる事があるのは、監督がそのチョイスを間違えてしまっているからなのかもしれないなと思ったりした。勿論こちらのその時の精神状態も関係しているとは思うが。
こうやって体系的に映画の技術を知ることは、映画の見方がまたひとつ増えるようで楽しい。
著者
ドリュー キャスパー
登場する作品