★★☆☆☆
あらすじ
巨大ハリケーン「カトリーナ」が接近する街で、緊急搬送された妊婦の妻に付き添い、病院にやってきた男。
ポール・ウォーカー主演。原題は「Hours」。96分。
感想
巨大ハリケーンによって被害を受けた病院で、生まれたばかりの未熟児を守ろうとする男の物語だ。危険な状態で運び込まれた妊婦の妻は、出産後に死んでしまう。いきなりヘヴィーな始まりだ。
だがこの時の主人公の行動が解せなかった。子どもが産まれて妻が死んだと聞けば、まず妻のもとに駆け付けるような気がするが子どもの方に行ってしまった。しかもリアクションは薄い。その後にやっと妻のもとに行くが、覆われた布を外して死に顔を見ようともしない。
確かに、死者のもとへ急いで駆けつけたところで意味はなく、それなら生者を優先する方が合理的なのかもしれない。だが、心情的には腑に落ちない。ただ、医者がそうするように促しているので、文化的な考え方の違いが背景にあるのかもしれない。あるいは、いざそんな状況に直面すればそういう気持ちになるのかもしれない。出来れば遭遇したくないシーンだが。
ハリケーンで皆が避難した病院に残り、主人公は妻が遺した赤ん坊を見守ることになる。人工呼吸器ごと移動できないので避難が出来なかったのだが、病院が患者だけを置き去りにするだろうかと、これまた疑問だ。
主人公は、充電が3分しか持たないバッテリーを手動発電機で維持しながら、様々なトラブルを解決し、助けを呼ぶために奔走する。だが、これがとてつもなく地味だ。地味に困り、地味に慌てて、地味に解決する。ほぼ一人だからなのかもしれないが、もうちょっと派手に描いても良かったような気がする。
それからバッテリーを維持するために、何をしていても3分ごとに赤ん坊のもとに戻らなければならない設定になっている。だがハラハラドキドキするような演出はない。ウルトラマンだって焦りそうな状況でもなぜか余裕だ。しかもわずか3分の間にいろんなことができてしまうのも嘘っぽい。
さらには途中で火事場泥棒的な暴漢も現れる。だが静かにあっさりと、地味に倒してしまった。全然盛り上げる気がないような展開に、何が目的?と問いかけたくなる。実話なのかと思ったが、そういうわけでもない。
妻を失う重苦しい展開で始まり、その後はほぼ主人公ひとりの地味な作業を見るだけの、暗く沈んだ気持ちになる映画だ。停滞感を避けるために時おり挿入される妻との回想シーンも似たテイストの地味なもので、なんの効果にもなっていない。
勝手に「フラッド」のような大災害時のクライム映画だと想像していた自分も悪いが、もうちょっとメリハリのあるものにして欲しかった。山場もなくそのままエンディングとなった時には、ええっ!?と声が出てしまった。
スタッフ/キャスト
監督/脚本 エリック・ハイセラー
製作総指揮/出演 ポール・ウォーカー
出演 ジェネシス・ロドリゲス


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