★★☆☆☆
あらすじ
伸び悩み、行き詰まっていた漫画家は、猟銃を手にゾンビ化した人々から必死逃げる。
大泉洋主演、有村架純、長澤まさみら出演。漫画原作、野木亜紀子脚本。127分。
感想
突如人々がゾンビ化した世界で、しがない漫画家の主人公が必死に戦うようになる物語だ。異変が起きて恋人や仕事仲間がゾンビ化していく序盤の描写は面白い。ドアを噛んで歯がボロボロと抜け落ちたり、バットで殴られて顔が凹んだりと、過激ではあるがユーモアもある。
主人公は途中で出会った女子高生と共に、安全だと噂される富士山を目指して移動を始める。そして途中で立ち寄ったアウトレットモールで、自衛しながら集団生活を送るグループと出会う。
主人公がアウトレットに立ち寄った理由も服を試着したりするのん気さもよく分からなかったが、ここからはアウトレットモール内の話となる。ゾンビ映画あるあるではあるが、主人公は当初の予定通り富士山に行くものだと思っていたので、急に動きがなくなってしまったことに戸惑いを覚えてしまった。
主人公らは富士山に行きたかったわけではなく、安心して暮らせる場所が欲しかっただけなのだろうから、ここに落ち着くことにしたのだろう。それなら富士山の噂は否定して、彼らはここにとどまります、したがってこれからはここが舞台となります、と分かりやすく示して欲しかった。
そして行われるのは、ゾンビとの戦いと自衛集団内の人間同士の争いだ。だが集団内の争いは、まずキャスト的にきついし、主人公は蚊帳の外だしで関心が持てない。岡田義徳演じるクレイジーキャラも今さら感があって、だいぶしんどかった。
またゾンビとの戦いも、迫りくるゾンビが全然怖くないのが問題だ。撮り方が悪いのか、数が少ないのか、まったく絶望感に襲われない。ゾンビは個別に見ると面白いのに、集団となると全くダメで、白々しい空気が流れていた。
途中でロッカーに隠れていた主人公が、ゾンビの徘徊する外に飛び出すシミュレーションを何度も繰り返すシーンがある。だが何も考えずに飛び出すだけなので、何回やっても同じ結果になるのは当たり前だ。何の意味があるのか分からず、謎の時間だった。せめて色々試行錯誤しないととダメだよと、素で注意したくなる。
また半分ゾンビに感染している有村架純演じる女子高生が、時々妙な動きをするのが気になったが、どうやらあれは猫の仕草を真似ていたらしいとだいぶ後になってから気付いた。分かりにくい。
オープンな世界からアウトレットモールのクローズな世界にスケールダウンし、出ていくのか留まるのか分からない宙ぶらりんな状態で、関心のない内輪揉めを眺め、怖くないゾンビを倒す映画だ。次から次へとゾンビを倒すクライマックスは、まるで作業のようでかなり退屈だった。
ヒーローになれなかった男がヒーローになる、といういかにも漫画的なテーマもいまいちピンと来ない。快適に車を走らせるラストシーンに、だったら最初からそうやって逃げろよと腹が立ってくる。
スタッフ/キャスト
監督 佐藤信介
脚本 野木亜紀子
出演 大泉洋/有村架純/吉沢悠/岡田義徳/片瀬那奈/片桐仁/マキタスポーツ/塚地武雅/徳井優/長澤まさみ/徳井優/風間トオル/カズレーザー/安藤なつ
音楽 佐橋俊彦
撮影 河津太郎
