★★★☆☆
あらすじ
毎回、家に帰ると妻が死んだふりをしていて戸惑う夫。
感想
タイトルでネタバレしてしまっているので、タイトル通りの事をされてもインパクトは全くない。嬉々として死んだふりをする榮倉奈々演じる妻は可愛らしいが、それも一瞬で、面白いとも面白くないとも言えないような中途半端な死んだふりコントを、冒頭に立て続けに何パターンも見せつけられたら寒気がしてきた。相当な榮倉奈々ファンであれば楽しめるのだろうが。
妻が死んだふりをする理由は後半に次第に明らかになっていくのだが、それが分かったところで、これは良い話なのか?と思ってしまった。はっきり言葉で言えばすぐに終わる話だ。それを、夫にとっては意味不明な事を延々とやり続け、正解は言いません、察してください、では、厄介すぎる。理由を聞いても答えないのであれば、コミュニケーションを拒絶しているのと同じだ。
そして、死んだふりのシーンばかりやって、普段の夫婦の様子がほぼ描かれていないのもストレスがたまった。二人とも敬語で話しているし。普段はどんな関係性なのかによって、死んだふりする妻の印象は変わるはず。元々おかしな人なのか、この時だけおかしくなってしまう人なのか。
それから「月がきれいですね」という夏目漱石の言葉はどれくらい一般的なのだろうか。個人的にはずいぶん手垢のついた言葉に思えるのだが、このエピソードを知っている人は途中でネタバレしてしまって、この映画を楽しめない。どうせならオリジナルの言葉を使えばよかったのに。親子の間でしか通用しない言葉とか。もうどちらにしても身勝手な人なわけだから。
夫を演じる安田顕の細かい演技が良かった。前妻と別れた理由を話すシーンでは、演技だけでグッと来た。そして、大谷良平演じる同僚の夫婦もなかなか良かったのだが、散々使っておいて用が無くなったらポイ捨て。その後一切出てこなくなってしまい、随分な演出だなと呆れた。
スタッフ/キャスト
監督 李闘士男
出演 榮倉奈々/安田顕/大谷亮平/野々すみ花/浅野和之/品川徹/螢雪次朗/峯村リエ
家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。 - Wikipedia
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