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「怒りの山河」 1976

怒りの山河(字幕版)

★★☆☆☆

 

あらすじ

 子供を連れて地元の牧場に戻って来た男は、議員と結託して土地の買収を目論む石炭採掘会社に嫌がらせを受けるようになる。

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 ピーター・フォンダ主演、ジョナサン・デミ監督。原題は「Fighting Mad」。88分。

 

感想

 地元に戻って来た主人公が、牧場を買収しようとする巨大資本に立ち向かう物語だ。前半は資本家側の強引な地上げ工作が描かれる。しかし一家を拉致殺害したり、家に火を放ったり破壊したりと、彼らのやり口はえげつない。ドン引きしてしまうが、個人や小さなコミュニティが巨悪に立ち向かうことの難しさをまざまざと見せつけられた。

 

 また、序盤に意味なく主人公の車を煽ったり、別の車に体当たりしてイチャモンを付ける住民たちの傍若無人ぶりが描かれるが、ここはそういう荒々しい町だということなのだろう。昔のアメリカの田舎町もワイルドだ。

 

 

 主人公らは、敵が様々な手口で攻めてきていることは分かっているのに、何ら対策を講じない。見張りを立てて警戒するとか、家族を避難させるとか、警察に通報するとかすればいいのに、何もせずにいつも通り過ごそうとするのはさすがにどうかしている。やられ放題になるのも当然だろう。

 

 巨大資本の横暴に耐えきれなくなった主人公が、最後に怒りを爆発させて反撃に出る、典型的な西部劇のパターンを踏襲した展開のように見えた。だが、敵陣営の暴漢に襲われた主人公は、その足で相手の重機を燃やしに行く。全然辛抱せずにすぐにリアクションするのは意外だった。だが父親に、相手に合わせて自分も堕するなと後に諫められてはいる。

 

 終盤に向けて怒りのボルテージが上がっていかなければならないのに、途中でそんな中途半端なガス抜きがあったせいで、ついに反撃に出たクライマックスはあまり盛り上がらない。しかも、あっさりと片が付いてしまって呆気なく、カタルシスも薄い。マックスまで溜まったストレスが最後に一気に解放されるから気持ちがいいのに、その高低差をコントロールすることに失敗してしまっている。

 

 また、近隣住民が一致団結して抵抗する様子があまり描かれないのも、物足りなさの大きな要因となっている。一応は誰かがやられたら駆け付けたり、訴訟もしているが、それがしっかりと描かれないので期待感やその後の失望といった感情が揺さぶられることがない。

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 物語をうまく型に落とし込むことが出来なかった映画だ。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 ジョナサン・デミ

 

製作 ロジャー・コーマン

 

出演 ピーター・フォンダ/ジーノ・フランコ/ハリー・ノーサップ/フィリップ・キャリー/ノーブル・ウィリンガム/ジョン・ドゥーセット/スコット・グレン

 

怒りの山河 - Wikipedia

 

 

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