★★★★☆
あらすじ
修理した車の試運転に出た男二人は、途中で港まで送って欲しいと頼んできた女性二人を乗せることになる。
フィンランド映画。62分。
感想
二人の中年男が二人の女性と出会う物語だ。この男たちが髪型やファッションを妙に気にしたり、得意げに武勇伝を語ったりして、まるで中学生男子みたいなのが微笑ましい。そんな二人が修理した車の試運転として、ドライブに出かける。この時も一人が親の金をくすねていて、いかにもな行動だった。
そして途中で立ち寄ったカフェで、バスの故障で立ち往生していた女性二人組に頼まれ、港まで送ることになる。男たちはそれまで散々イキったりしていたくせに、同乗した女性たちに話しかけることも目を合わせることすらも出来なくて、ずっと黙り込んだままになってしまう。これまた女性を意識し過ぎた思春期の中学生男子みたいで可笑しかった。
二人はまるで女性二人を無視しているかのように振る舞うのだが、よく見るとちゃんと4人分の食券を購入したり、気付けば旅行鞄を持ってあげたりもしていて、実は彼らなりに頑張っていることが伝わってくる。女たちは半ば呆れているのだが、これが彼らの精一杯なのだろう。
ところで途中で宿に泊まることになり、男二人がそれぞれシングルの部屋を取ってさっさと行ってしまうシーンがあるのだが、取り残された女たちが自然と別れてそれぞれ男の部屋に入っていったのはちょっとゾッとした。お礼に身体でお返しするのは当然、みたいな中世のノリを感じたが、そういう風習なの?と戸惑ってしまった。
それでも二人は何も出来ず、だけど離れたくはなくて、港に送り届けた後も子犬みたいに女性二人の後についていく。何やってんだと呆れながらも笑ってしまうが、そこでついに一組のカップルが誕生したシーンは、まるで往年の無声映画の名シーンのような趣があってグッと来てしまった。
冴えない男女に鄙びた舞台と、野暮ったさしかないはずなのだが、モノクロの美しい映像と琴線に触れる音楽、独特の間合いでとてもクールに見えてくるのが不思議な映画だ。二人の男の明暗が分かれるラストも味わい深く、コーヒーとアルコールの違いなのか?などと、そうなってしまった原因を考えたりしながら深い余韻に浸れる。
スタッフ/キャスト
監督/脚本/製作/編集 アキ・カウリスマキ
出演 カティ・オウティネン/マッティ・ペロンパー/マト・ヴァルトネン/キルシ・テュッキュライネン/エリナ・サロ

