★★☆☆☆
あらすじ
田舎にひとりで住む妹を東京に呼び寄せ、一緒に暮らし始めた女。
鳴海唯、河合優実、見上愛ら出演。97分。
感想
東京に妹を呼び寄せて、一緒に暮らし始めた女が主人公だ。妹が失踪したことで物語が動き出す。
だがその前に引っ掛かることが多すぎた。まず主人公が、たいして妹と仲が良いわけでもなさそうなのになんとか東京に来させようとしているのが解せなかった。未成年だったり住むところがないのならまだしも、高校を卒業してバイトしているようだし、両親が残した実家もある。
主人公の恋人が「親も兄弟もいないのに田舎に住んでいるのは可哀想」と言っていたのもなかなか衝撃的で、もしかしたら製作者が田舎にすごい偏見を持っているのでは?と疑ってしまう。地方の人は、東京に行けないやむにやまれぬ理由があるから仕方なく田舎に住んでいる、とか思っていそうだ。
しかし、生まれ育ち、仲間や知り合いもたくさんいる場所で暮らし続けるのはいたって自然なことだ。刺激のある東京に住みたいと望む若者がいるのは確かだが、全員がそうだと決めつけるのは極端だ。
そして主人公が、高校から東京に出てきているとか、スマホを持っていないとか、クセがすごい。高校は寮だったのか一人暮らしだったのかは分からないが、裕福でも特別な才能を見出されたわけでもないのに単身で上京するなんて妙だ。スマホに関しては、持っていないこと自体のインパクトがデカすぎて、さらっと受け流せない。そのまま話を進めてはいけないレベルだろう。
もし彼女がちょっと変わった人だったら、これらもなんとか受け入れられるかもしれないが、東京で働くごく普通の若い女性、という体になっているのが逆にとてつもなく怖い。ホラーだ。その他にも、妹がいなくなったのにあまり心配する様子がないなと思っていたら、次のシーンで突然鬼のように心配していたりと、主人公の言動がブレブレで、サイコパス感がある。
また同じ時期に同じように妹が行方不明になった女と知り合ったり、その妹が主人公の妹の元職場に現れたりするなど、あまりにも偶然が過ぎる出来事が頻出する。そして、それぞれの妹二人プラス親密だった女性の話が、ほぼ会話の中だけで展開するので誰の話をしているのだか次第に混乱してくる。クライマックスで主人公は男に「それは本当に彼女のためのなのか?」と問われるのだが、彼女ってどの人のこと?と首を傾げてしまった。
主人公がスマホを持っていなことなどは意図的な伏線だったが、それ以外の不可解な演出のどれが意図的でどれがそうでないのかがよく分からないので、あまり考察してみる気になれない。最初から感じていたように、彼女がサイコパスだった、というだけの話なのだろう。だが主人公以外の登場人物たちにも不審な描写が多すぎて、全員がサイコパスに見えてしまうから困る。
スタッフ/キャスト
監督/脚本 松尾大輔
出演 鳴海唯/仲万美/河合優実/奥野瑛太/見上愛/馬渕英里何/カトウシンスケ
音楽 古屋沙樹
撮影 川野由加里
