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「地獄の黙示録 ファイナル・カット」 2019

地獄の黙示録 ファイナル・カット(字幕版)

★★★★☆

 

あらすじ

 ベトナム戦争。ある日、本部に呼び出された大尉は、ジャングルの奥地で独立王国を築き、神のように振る舞うようになった大佐を暗殺するよう命じられる。

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 マーティン・シーン、マーロン・ブランド、デニス・ホッパーら出演、フランシス・フォード・コッポラ監督。原作はジョゼフ・コンラッドの小説「闇の奥」。1979年の作品を監督が再編集した最終版。原題は「Apocalypse Now: Final Cut」。182分。

 

感想

 大佐暗殺の任務を果たすため、海軍のボートに乗り込んで川をさかのぼり、ジャングルの奥地を目指す陸軍大尉が主人公だ。彼が戦争の現実を目の当たりにしながら、エリートだった大佐の変心の理由を考察する様子が描かれていく。

 

 まずはなんといっても、序盤の戦争シーンが圧巻だ。ヘリコプターから機銃掃射し、戦闘機がナパーム弾で森林を焼き払う様子は、迫力たっぷりで見ごたえがある。そして、ロバート・デュヴァル演じる隊を率いる中佐の強烈なキャラクターも魅力たっぷりだ。最初はそれほど協力することに乗り気でなかったのに、主人公らの隊の中にプロサーファーがいることを知ると俄然やる気になり、まだ銃弾が飛び交う中で部下にサーフィンをさせたりする。交戦中なのにまったく身を守る気がなく、平然と振る舞っているのが面白い。

 

 

 彼は平時ならきっと単なるヤバい人なのだろうが、戦時下においては頼もしい人になる。色んな人のいる多様性のある社会が、どんな事態にでも対応できる強い社会であることがよく分かる。標準のレンジが狭く、そこからはみ出た人にすぐに出て行けとか言ってしまうような社会は、きっと駄目なのだろう。

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 とはいえ、彼だけでなく登場する人物たちは皆、どこか戦争でおかしくなっている。冷静で戦争の欺瞞に気付いている主人公ですら、人命救助を拒否して簡単に民間人を殺してしまったりする。派手な中佐のシークエンスが終わると、そんな戦争の狂気がじわじわと、いろんな形で炙り出されていく。

 

 そして、主人公はついに奥地の謎の王国にたどり着く。もはや敵も味方もなく、何が目的なのかすらも分からない戦争の不毛さを象徴するような状態だ。主人公を見つめる感情の読めない人々の視線が不気味だった。そして、勿体ぶったたっぷりの演技と演出で見せるマーロン・ブランド演じる大佐の怪物ぶりもすごい。とにかく異様な雰囲気を放っている。

 

 3時間以上もある作品で、集中力が途切れそうになる瞬間がないわけでもないが、力強い映像と物々しい雰囲気がけん引する映画だ。戦争が始まってしまえば、泥沼化は避けられないことを肌身で感じることができる。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本/製作/音楽 フランシス・フォード・コッポラ

 

脚本 ジョン・ミリアス

 

原作 闇の奥(新潮文庫)

 

出演 マーロン・ブランド/ロバート・デュヴァル/マーティン・シーン/フレデリック・フォレスト/アルバート・ホール/サム・ボトムズ/ラリー・フィッシュバーン(ローレンス・フィッシュバーン)/デニス・ホッパー/G・D・スプラドリン/スコット・グレン/コリーン・キャンプ/クリスチャン・マルカン/オーロール・クレマン/R・リー・アーメイ

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音楽 カーマイン・コッポラ

 

撮影 ヴィットリオ・ストラーロ

 

地獄の黙示録 - Wikipedia

 

 

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