★★★☆☆
あらすじ
他道場の門下生の狼藉を見かねて成敗した男は、恨みを買い、一門は卑劣な報復を受ける。
ジミー・ウォング監督主演。香港映画。92分。
感想
主人公が他の道場の門下生たちと喧嘩をするところから物語が始まる。きっかけは飲食店で客に因縁をつけている彼らを見咎めたことだが、この時、客のおじさんたちが皆、当たり前のように鳥かごを持って歩いていたのが可笑しかった。
奇異な光景に見えるが、彼らからすれば犬を連れ歩いているような感覚なのだろう。小鳥の美声を楽しむためなのだとしたら、あるいはスマホを持ち歩いているようなものなのかもしれない。
相手の門下生が嘘の報告をしたことにより、主人公らの一門は恨みを買い、両者の対立は決定的なものとなる。そして劣勢となった敵側は、アジア各国の武道の達人たちを殺し屋として雇う。喧嘩を売っておいて弱いのがダサいが、それでなりふり構わない手を使ってくるのは卑劣だ。
とんでもない奴らだと言いたいところだが、アジア各国の武道家たちが集い、共に戦う姿はある種、感動的ですらある。多少喧嘩はするが、プライドの高い彼らが同じ目的のためにひとつになれるなんて、敵だからあれだが、これが味方ならアベンジャーズ的な美談になるはずだ。腹にイチモツ抱えた彼らでも、共通の敵がいればなのか、金のためなのかは分からないが、とにかく協力することができる。だったら世界中の人が仲良くすることだって可能なはずだと、妙な希望を覚えてしまった。
主人公は戦いの過程で、タイトルでネタバレしている通り、片腕を失う。そのシーンは、そこで?そんなあっさり?と、いろんな意味で衝撃的だった。そして一度は失意に沈むものの、再び復讐のために立ち上がる。そのための処置や訓練をするのだが、苛烈すぎて引いてしまうほどだった。拳も変色して不気味だが、その異能ぶりが、主人公の異常な強さに説得力を与えている。
日本の柔道や沖縄空手、インドのヨガ(顔色が悪いのが気になる)、タイのムエタイ、韓国のテコンドーなど、各国の格闘家たちとの戦いがクライマックスだ。ロケーションが採石場のようなところということもあり、どこか特撮ヒーローもののような雰囲気が漂っている。長丁場の戦いだが、スローモーションやファンキーな音楽、体を曲げることなく直立状態で立ち上がる特撮など、バラエティに富んだ演出のおかげで最後までダレることなく楽しめる。
この他の場面でも、静止画で紙芝居風になったりとユニークな演出が随所に散りばめられている。ラストも西部劇風だ。そういった点でも、当時のあか抜けない他のカンフー映画群とはひと味違う、独自性を感じるものとなっている。
スタッフ/キャスト
監督/脚本/製作総指揮/出演 ジミー・ウォング
製作 レイモンド・チョウ
出演 タン・シン/ティエン・イェー/ライ・シュン/ブラッキー・コー/ロン・フェイ
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