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「キングスマン:ファースト・エージェント」 2021

キングスマン:ファースト・エージェント (字幕版)

★★☆☆☆

 

あらすじ

 南アフリカでの慈善活動中に妻を殺され、残された息子を溺愛する貴族の男は、国家に頼らない独立した諜報機関の設立を目指す。

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 キングスマンの誕生を描くシリーズ第3作目。131分。

 

感想

 前作までと同じノリのつもりで見始めたら、いつまで経ってもそうはならずに真面目なままで、肩透かしを食らってしまった。前作までの馬鹿馬鹿しさは消え、シリアスな雰囲気で展開する映画となっている。

 

 今作はキングスマン誕生の経緯が描かれる前日譚で、前作までとは時代もキャストも違う。だからリブートとしてテイストが変わってもおかしくないと言えばおかしくないのだが、いきなり裏切られた気分だ。なかなか気持ちを切り替えられないまま見ることになった。

 

 

 そして路線の変更により、これまで荒唐無稽さで覆い隠していた設定のおかしさが露わになってしまっている。国家から独立した諜報機関って何のため?とか、それをなぜ主人公が?とか、疑問が次々と出てきてしまう。一応それに対する回答は与えられるのだが、あまり納得感はなく、どうも釈然としない。それなら普通にジェームズ・ボンド的なやつでよくない?と思ってしまった。

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 ジョージ五世など第一次大戦当時の実在の人物が数多く登場し、彼らがどのように物語に関わってくるのかが見どころとなっているようだ。だが残念ながら、自分にはラスプーチンやレーニンくらいしか分からなかった。その他の人物のこともよく知っていればもっと楽しめたのだろう。ただラスプーチンくらいしか目立った活躍は見せていないが。

 

 それからキングスマン設立に大きな影響を与える主人公の息子だが、彼がどうしても戦争に行きたがるのがよく分からなかった。子供っぽい愛国心からなのだろうが、父親が独立した諜報機関を作ろうとしており、それを手伝っていたのだから、そちらの方がやりがいがあると思いそうなものだ。それなのに強引に戦場に行き、結局殺されるわけだから、軍国少年は想像力がなくておめでたい。正直なところ、まったく同情できなかった。

 

 終盤になってようやく映画の雰囲気を受け入れられるようになって、そこそこは楽しめるようになった。ただそれでも間の抜けた「007」といった印象だ。紳士的要素があまりないので、キングスマンらしさもない。もうちょっと笑えるシーンがあると良かったが、伝わりづらいジョークが多かった。

 

 前の二作の雰囲気を期待して見ると、騙された感が半端ない映画だ。別物として見るなら悪くない。

 

スタッフ/キャスト

監督/製作 マシュー・ヴォーン

 

原作 キングスマン:ザ・シークレット・サービス (ShoPro Books)

 

出演 レイフ・ファインズ/ジェマ・アータートン/リス・エヴァンス/マシュー・グッド/トム・ホランダー/ハリス・ディキンソン/アーロン・テイラー=ジョンソン/ダニエル・ブリュール/ジャイモン・フンスー/チャールズ・ダンス/マシュー・グード/スタンリー・トゥッチ/アレクサンドラ・マリア・ララ/アウグスト・ディール/ダフィット・クロス

 

編集 ジョン・ハリス

 

キングスマン:ファースト・エージェント - Wikipedia

 

 

登場する人物

グリゴリー・ラスプーチン/ジョージ5世/ヴィルヘルム2世/ニコライ2世/ホレイショ・ハーバート・キッチナー/エリック・ヤン・ハヌッセン/マタ・ハリ/ガヴリロ・プリンツィプ/フェリックス・ユスポフ/ウッドロウ・ウィルソン/アレクサンドラ・フョードロヴナ (ニコライ2世皇后)/ウラジーミル・レーニン/アドルフ・ヒトラー

 

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