★★★☆☆
あらすじ
ひょんなことからギャングのボスになった男は、彼に幸運をもたらしてくれた花売りの老婆のために、ひと肌脱ごうとする。映画「一日だけの淑女」「ポケット一杯の幸福」のリメイク作品。
感想
いつも幸運の薔薇を売ってくれる花売りの老婆のために、ギャングのボスの主人公が中心となり、善意の一芝居を打とうとするハートウォーミングなコメディドラマ。なので正直、アクションがなくても成立するのだが、それでもしっかりとアクションするのはジャッキー映画だから。彼の映画でアクションがないと多分がっかりしてしまうだろう。
ただ、映画の中のアクションシーンは、犯人を捕まえるためとか復讐を果たすためとかの大義がないので、観ていてもあまり身が入らない。そんなことしたくないのに相手が襲いかかって来るから、仕方なく受け身で戦っているだけだ。
とは言いながらも、いざアクションシーンとなるとちゃんと楽しいのは、流石ジャッキー。特にロープ工場?みたいな所でのアクションは面白かった。香港映画と言えばワイヤーアクションだが、通常は消してしまうそのワイヤーを敢えて消さないアクション。ロープを活用した色々なアクションが見られる。
それから木製の大きなボビンを使ったシーンは、なんとなくチャップリンの映画を思い起こさせたりもして、メインのプロットもそうだし、ジャッキーは古いクラシック映画をよく見ているんだろうなと思わせられる。1曲歌い踊る間に長い年月を表現したり、長回しのシーンが何度かあったりして、今回は監督としてのジャッキーの手腕も光っている。
どんどんと大きくなっていく嘘に収拾がつかなくなり、皆があきらめかけた時、大きな奇跡が起きる、という物語。確かにあたたかな気持ちになれるのだが、嘘を守るために結構ひどいことをしてしまっているし、それに今後はどうするつもりだ?と気になって、落ち着かない気分にもなってしまった。
スタッフ/キャスト
監督/脚本/出演
製作総指揮 レイモンド・チョウ/レナード・ホー
出演 アニタ・ムイ/グロリア・イップ/ウー・マ/トン・ピョウ/リチャード・ン
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