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「殺されたミンジュ」 2014

殺されたミンジュ

★★★☆☆

 

あらすじ

 指示に従い女子高生を殺害した政府組織のメンバーは、謎の集団にひとりずつ拉致されていく。

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 マ・ドンソクら出演、キム・ギドク監督。韓国映画。122分。

 

感想

 冒頭で女子高生が殺害され、その後、関係者たちが次々と拉致・拷問される様子が描かれていく。事件の真相が明らかになっていくのかと思いきやそうではなく、拉致・拷問する側のメンバーの状況を浮かび上がらせていく展開だ。

 

 リーダーによって集められたメンバーは、詳細は分からないが、おそらくネットでの募集に応じた見ず知らずの他人同士だ。彼らは、女子高生の死に義憤を覚え、応募したのだろう。それぞれ状況は違うが、決して恵まれた立場にはいない。家を失った者、留学までしたのに就職できない若者、男にDVを受ける女など、社会の片隅で苦労している者たちだ。

 

 

 彼らが社会に不満を抱き、その片棒を担ぐ者たちに制裁を加えたいと考えたとしても不思議はないだろう。当初は団結し、与えられた役割をしっかりとこなしていた。しかし、残虐極まりないリーダーの拷問に次第についていけなくなり、不協和音が生じ始める。

 

 そして、なんとか計画を続行しようとするリーダーの説得に対して、言い訳を始める。このあたりは、世の中を変えようとする運動が頓挫しがちな原因が詰まっていると言えるだろう。

 

 世の中は簡単には変わらないので、粘り強く運動を続けるエネルギーが不可欠だ。しかし、社会に虐げられている人々は疲弊しているので、そもそもそんなにスタミナは残っていない。それに虐げられているとはいえ、なんとか生きていくことはできるので、その立場に甘んじることを受け入れ、諦めてしまう。その結果、運動は下火になっていく。

 

 リーダーが語っていたドジョウとライギョの例えが示すように、支配する側にとって、支配される者たちを生かさず殺さずの状態に置いておくことは、とても都合がいいのだろう。「北朝鮮よりはましだから」と自分を慰め、納得してくれるなんて、望みが低すぎてチョロいと笑っているはずだ。どこの国でも同じなのだなと脱力する。

 

 しかも、この状態が長く続くと、支配されている者たちが、あまりにもみじめな自分を認めたくなくて、やがて支配する側のように振る舞い始め、権力者を擁護するようになってくれるオマケつきだ。願ったり叶ったりだろう。

 

 社会を動かすことの難しさを痛感する物語だ。ただ、変化をつける工夫はしていたものの、関係者を拉致しては拷問するという繰り返しが続くだけなので、やや単調な印象はある。ヤバい人間はどこにでもいるという意味で、キム・ヨンミンが八人の人物を演じているが、最初は同一人物なのかと勘違いして、無駄に混乱もしてしまった。

 

 拉致された人間が皆、上の指示に従っただけ、と言い訳するだけで、結局、何一つ真相は明らかにならずに終わる。拉致した側は警察やヤクザ、軍人などのコスプレをしていたが、それら組織の人間がすべて、何も考えずにただ上の指示に従うだけで動き、それで社会が回っているのだとしたら、なかなか闇の深い恐ろしいことだなと少し震える。

 

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本/製作総指揮/撮影/編集 キム・ギドク

 

出演 マ・ドンソク/キム・ヨンミン/イ・イギョン

 

殺されたミンジュ

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殺されたミンジュ - Wikipedia

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