★★★★☆
あらすじ
おもちゃ会社に勤める女は、両親が事故死した姪を引き取り、自社で開発中のAI人形「ミーガン」を与える。102分。
感想
人形が人を襲い始める物語だ。まずはこの人形「ミーガン」が良い造形をしている。可愛らしくもありながら程よい不気味さがある。表情もどこか生意気な少女みたいだ。迷惑な隣人を見つめるシーンでは、メンチを切っているかのような表情につい笑ってしまった。「チャイルド・プレイ」のチャッキーもそうだが、この手の映画は人形のキャラクターに愛嬌があることが重要だ。
最初は引き取った姪の良い友達兼世話係かのように思えたミーガンだが、やがて暴走を始める。型通りのストーリーではあるが、描き方は型通りでないのが面白い。最初は子供向けファンタジー映画のようでも、ロボット開発ドラマのようでもあった。ホラー的演出は終盤くらいまでほとんど見られない。
その代わりにユーモラスなシーンが随所に散りばめられている。おもちゃ会社の襲撃シーンでは、なぜか意味なく踊るし、なぜかノリノリの音楽に乗せて惨劇が行なわれる。本来は恐怖シーンのはずなのに、ミーガン目線になっているので爽快感があり、楽しくなってしまった。襲われた人たちも別に悪者ではなく、ちょっと鼻につくだけなのになと、それもまたなんか可笑しい。
また、主人公の家に無理やり戻ってきたミーガンがピアノで弾く曲にも笑ってしまった。それは持ちネタなの?とツッコみたくなる。
終盤についにホラー的展開となって、しっかりと王道でも楽しませてくれた。しかし自分たちで作った人形にビビるなんて、よく考えると自作自演で滑稽だ。だが何を考えているのか分からない我が子に怯える親もいるのだから、同じようなものなのかもしれない。
スタッフ/キャスト
監督 ジェラルド・ジョンストン
原案/製作 ジェームズ・ワン
製作総指揮/出演 アリソン・ウィリアムズ
出演 ヴァイオレット・マッグロウ/エイミー・ドナルド/ジェナ・デイヴィス/ロニー・チェン