★★★☆☆
あらすじ
子供のころに見た謎の組織メン・イン・ブラックの一員になんとかなれた女は、派遣されたイギリスで、エースと言われながらも頼りない男と無理やりコンビを組み、一緒に行動するようになる。
シリーズ第4作目。115分。
感想
大幅にメンバーが変わったシリーズ第4作目の作品だ。前作をちゃんと見たはずなのに、そういえばエマ・トンプソンって前も出てたよなと途中でようやく思い出すくらい内容はうろ覚えだったが、ほぼ支障なく見ることができた。
子供の頃に見たメン・イン・ブラックのエージェントに憧れて、独力でコンタクトを取り、なんとか雇ってもらった女性が今回の主人公だ。ロンドンに配属され、エースとされる男と無理やりコンビを組み、ともに行動するようになる。ただ、ストーリーが分かりづらく、世界各地を転々とする中で、今彼らは何をしようとしてここにいるんだっけ?とふと冷静になって考え込んでしまう瞬間が何度もあった。二人のコンビネーションに見るべきものはなく、コミカルなシーンもあまり面白くない。
終盤、主人公らが武器商人の島に乗り込むシーンでは、トレードマークの黒いネクタイ、黒いスーツではなく、普通のカジュアルなファッションになっていて、「メン・イン・ブラック」感がなくなってしまっていた。なんとくダニエル・クレイグ版のジェームズ・ボンド映画みたいだ。ちゃんとシリーズのお約束は守らないと駄目でしょと非難したくなったが、その少し前の街なかで追われるシーンでは、そんな目立つ黒ネクタイ・黒スーツなんか着てるから駄目なんだ、などとイラっとしていたので、我ながら勝手なものだ。
この島で、マークしていた双子の宇宙人と対決することになるのだが、白熱の戦いを繰り広げることはなく、消化不良な感じであっさりと片が付いてしまった。当然それで終わるわけはなく、このあとに本当のクライマックスがあるのだが、あまりにも見え透いた展開で興醒めしてしまった。もっと思わせぶりな展開で弄んでほしかった。
この双子の宇宙人を無残にやっつけてしまうと、真相が明らかになった後に気まずいからと配慮したのかもしれないが、彼らは普通に悪役らしい残酷なことをしていたのでその必要はなかった。それをするなら、見た目が怖いからと皆勝手にビビってたけど、よく考えると別に悪いことは何もしてなかった、となるような描き方をするべきだった。その方が笑いもあったはずだ。
緩いストーリーに今一つの笑いで、盛り上がりに欠ける映画だ。ただ、シリーズおなじみのどこかクラッシクな劇伴音楽は安心感があり、未来的な武器や乗り物の描写も見応えがある。あまり深く考えないで見るならそこそこは楽しめそうだ。
スタッフ/キャスト
監督 F・ゲイリー・グレイ
製作総指揮
バリー・ソネンフェルド
出演 クリス・ヘムズワース/テッサ・トンプソン/レベッカ・ファーガソン/クメイル・ナンジアニ/レイフ・スポール/リーアム・ニーソン/ロラン・ブルジョワ&ラリー・ブルジョワ
出演(カメオ出演) アリアナ・グランデ/ドナルド・グローヴァー
音楽 ダニー・エルフマン/クリス・ベーコン
メン・イン・ブラック:インターナショナル - Wikipedia
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