★★★☆☆
あらすじ
第二次大戦末期、ナチスによって収奪された美術品の散逸や破壊を防ぐため、美術関係者からなる「モニュメンツ・メン」が結成され、前線へと派遣される。
ジョージ・クルーニー主演・監督。マット・デイモン、ビル・マーレイ、ケイト・ブランシェットら出演。原題は「The Monuments Men」。事実を基にした作品。118分。
感想
美術関係者たちがチームを結成し、文化財保護のために前線に乗り込む物語だ。リーダーである主人公が仲間を集めるシーンは、簡潔で分かりやすく、ワクワクするものだった。
しかし、前線にやってきた主人公たちは味方の協力を得られず孤立する。勝利のためにそれこそ命がけで戦っている兵士たちにしたら、美術品のために命など賭けられないと思ってしまうのは当然だろう。その心境は理解出来る。
文化は人類にとってかけがえのない資産だが、生きるか死ぬかの極限状態では二の次になる。平時においてさえも、たっぷりとその恩恵を享受しながらも価値に気付いていない人は多い。だから、その意義を分かってもらおうとするのは困難だ。コロナ禍もそうだった。
「ロダンの彫刻をめぐる攻防」大原美術館は戦時中、名作を失う危機をどのように乗り越えたのか【岡山・倉敷】 | 岡山・香川のニュース | 天気 | RSK山陽放送 (1ページ)
四面楚歌の状況下でも、主人公らはなんとか任務を遂行しようとする。護衛を断られ、単身現地に乗り込んだメンバーが、敵に見つかり殺されてしまったシーンは悲しかった。ちゃんと協力を得られていたらこんなことにはならなかったのにと悔いてしまうが、逆にそれで全員が死んでしまったら、また別な感想を抱くことになるのだろうから、その判断は難しいところだ。
彼らの活動は大きな成果を上げる。ナチスが文化にある程度の理解があり、それらを収集・保管したことで、結果的に多くの美術品が救われることにになったのは皮肉だ。もし無頓着な集団だったら、それこそ瓦礫の山の中から一作品ずつ救出する羽目になっていたはずだ。
なぜかジョージ・クルーニー関連の映画だとイジられがちなマット・デイモン演じる男が、フランス語が下手くそだと貶されまくるなど、随所にトボけたユーモアが散りばめられている。また、各シーンの演出も一筋縄ではいかない工夫が凝らされている。だが、それらが一つにまとまりきらず、全体としてバラバラなまま終わってしまった感は否めない。
なんとなく「大脱走」をオマージュしたようなシーンもあったりして、戦争映画でやりたいシーンをたくさん詰め込んだような作品だ。決して悪くはないが、それほど心に残るような余韻はなかった。
スタッフ/キャスト
監督/脚本/製作/出演
脚本/製作/出演 グラント・ヘスロヴ
原作 ナチ略奪美術品を救え─特殊部隊「モニュメンツ・メン」の戦争
出演 マット・デイモン/ビル・マーレイ/ジョン・グッドマン/ケイト・ブランシェット/ヒュー・ボネヴィル/ボブ・バラバン/ジャン・デュジャルダン/ストゥス・フォン・ドホナーニ/アレクサンドル・デスプラ
音楽 アレクサンドル・デスプラ
