★★★☆☆
あらすじ
28年の服役を終えて出所した男は、旧友に迎え入れられ、街に繰り出す。
アル・パチーノ、クリストファー・ウォーケンら出演。原題は「Stand Up Guys」。95分。
感想
28年ぶりに再会した友人の一日を描く物語だ。二人ともいい歳の孫がいるような年齢だが、ベテランの達観した渋みを見せるのではなく、女を買ったり、クラブに行ったり、車をぶっ飛ばしたりと、馬鹿なことをやっているのが微笑ましい。
彼らのそんな一日がコミカルに描かれるが、それほどハマってはおらず、思っていたほどには笑えない。それに娼館やカフェなど何度も同じ場所に行く展開が多く、物語が整理されていない雑然とした印象を受ける。
陽気に過ごす二人だったが、その裏で彼を迎えに行った男にはやらねばならないことがあり、心の葛藤を抱えている。出所した男も、実はそれを察していながら気付かないふりをしていたことが分かる。一方はやらねばならぬことがなかなか実行できずにいて、もう一方はやられるならやられてもいいと受け入れている。
そうやって互いを気遣いながら一緒にいる二人には、彼らにしか分からない強い絆があることが伝わってくる。出所した男が馬鹿なことをしてはしゃぐのは、そのせいもあるのだろう。無邪気なようでいて、教会に行ったり相手の孫を気遣ったりと、やっておくべきことをちゃんとやっている。
ラストは、当初のやるべきことが実行されて終わるのだったら嫌だなと思っていたので、熱くなる展開だった。何も言わなくても二人がそうすべきだと、当然のように実行に移すのもグッとくる。
ただ、いくら何でも銃撃を始めるのが早過ぎた。目的を達する前にやられちゃうだろうと心配してしまったが、「明日に向かって撃て!」のように結果を見せない結末だった。
結果ではなく心意気が大事だ、といったところだろうが、そこはベテランらしく、ある程度の結果も見越した戦いをして欲しかった。勢いだけの若者にはない、人生をサバイブしてきた者だけが持つ老練さや凄みが見たかった。
アル・パチーノ、クリストファー・ウォーケンの演技は勿論見応えがあり、人生を感じさせるドラマも胸を打つ。使われている音楽も良かった。それだけに空回り気味のコメディパートが残念な映画だ。
スタッフ/キャスト
監督 フィッシャー・スティーヴンス
脚本 ノア・ヘイドル
出演
クリストファー・ウォーケン/アラン・アーキン/ジュリアナ・マルグリーズ/マーク・マーゴリス/ルーシー・パンチ/アディソン・ティムリン/ヴァネッサ・フェルリト/キャサリン・ウィニック
音楽 ライル・ワークマン
