★★☆☆☆
あらすじ
毎夜、チェーンソーを持った大男と戦う女子高生と出会った男子高生。
感想
オープニングの時代劇風のシーンが、あからさまなセット感が漂っていて、いきなり脱力させられる。予算の関係なのかもしれないが、最初のシーンだし、その後も何度か出てくる大事なシーンなわけだから、もうちょっと作り込んだセットにして欲しかった。現代を描いた映画なのにいきなり時代劇風に始まるというサプライズを与えたかったのだろう。だが、チープな映像だなと残念な第一印象を与えただけだった。
それからこの映画は、主人公らがチェーンソー男と戦う場面が最大の見せ場のはずだが、なぜかあまり迫力が感じられず見ごたえがない。チェーンソー男の描写も物足りないし、撮り方や編集、役者の演技力などすべてに問題がある感じだ。不気味で恐ろしいチェーンソーを持った大男と繰り広げる手に汗握る戦い、といった風にしっかりと演出していたらもう少し映画の印象は違ったはずだ。
無為に過ぎていく日々に焦燥感を感じていた市原隼人演じる主人公が、チェーンソー男と戦う女子高生と出会ったことで変わっていく物語だ。だが女子高生と出会ったあとも、主人公はたいして何も変わっていないように見える。ただ女子高生の後を金魚のフンのようについていくだけで、女子高生と共闘してチェーンソー男と戦うわけでもなく、ほとんど眺めているだけだ。やりたいことが見つからなかった男子高生が、彼女を見守るという生きがいを見つけたという事なのかもしれないが。
ところで市原隼人が劇中で頑なにやっていた腰パン姿がきつかった。当時の流行りだったとはいえ、その姿が映し出されるたびにダサすぎてげんなりさせられた。この映画は、本題から観客の視線を逸らす演出が多すぎる。
映画のテーマやチェーンソー男が何を表しているのかは、 なんとなく形としては分からなくはないが、その中身が全く伝わってこない映画だ。ただ、板尾創路演じる高校教師が主人公にかける言葉は印象的だったりしたので、このセリフが映画オリジナルでないとすれば、原作はそれなりにしっかりしているのだろう。とはいえ、原作が良いから映画化したはずだから、それは当然といえば当然なのだが。
スタッフ/キャスト
監督 北村拓司
脚本 小林弘利
出演 市原隼人/関めぐみ/浅利陽介/三浦春馬/野波麻帆/板尾創路
音楽 高橋哲也
ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ - Wikipedia
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