★★☆☆☆
あらすじ
所属していた演劇部を手伝うため、久しぶりに高校を訪れた女子大生は、想いを寄せていた教師と再会する。
有村架純、松本潤、坂口健太郎出演、行定勲監督。島本理生の同名小説が原作。140分。
感想
所属していた演劇部を助けるため、一年ぶりに母校を訪れた女子大生が主人公だ。思いを寄せていた高校教師と再会し、再び関係が始まる。
だが相手の高校教師はどこか掴みどころがない。主人公を優しく見守っている感はあるのだが、生徒に手を出してはいけないという倫理観はなさそうで、いつでもイケるようにグルーミングしているようにも見える。
主人公を演劇部に呼び戻したり、深夜に電話をかけたりと、彼女を常に手元に置いておこうとしているような怖さがある。そのくせ、手は出さない思わせぶりな態度だ。
主人公は煮え切らない教師に見切りをつけて、演劇部の活動で知り合った大学生の男と付き合い始める。だがこの男もまたどこか怖い。携帯を見せろと言ったり、夜道で危険を感じた主人公が、助けを求めて電話してきても冷たくあしらったり、土下座を強要したりする。その後で謝ってくるのもまた怖い。
変な男二人と関わってしまった主人公だが、よく考えると彼女もなんかおかしい。卒業後も教師が忘れられなかったのなら連絡するなりすればいいのに何もしないし、だけど再会すると自分の想いを前面に出し、相手を責めたりもする。教師との風呂場のシーンは、何のプレイ?と思ってしまった。
また大学生の男との付き合いも、散々酷いことをされているのに普通に関係を続けるのかと不思議だった。強要された土下座も、するのかよ!とツッコんでしまった。
中盤くらいまでは恋愛映画の雰囲気があったが、その後は何をやっているのかよく分からなくなった。三人のサイコパスの競演みたいになっていたので、きっとこれはサイコスリラーで、ラストは主人公が男二人を殺して終わるのだろうなとひとり合点していたのだが、最後は恋愛映画みたいになっていてびっくりした。
他にも何人かおかしくなった人が出てくるので、人は皆どこかおかしいし、恋愛中はそれに拍車がかかる、ということなのだろう。ただあまり登場人物たちの心情が理解できず、その割には上映時間も長いので、色々としんどかった。
それからラスト近くのベッドシーンは、誰のやる気も感じられず、やりたくないならやらなきゃいいのにと思ってしまった。仕方なしに渋々やってる感がすごかった。
スタッフ/キャスト
監督 行定勲
脚本 堀泉杏
出演 松本潤/有村架純/坂口健太郎/大西礼芳/古舘佑太郎/神岡実希/駒木根隆介/金子大地/市川実日子/瀬戸康史/堀ちえみ/三浦誠己/伊藤沙莉
音楽 めいなCo.