★★★☆☆
あらすじ
ニューヨークのマンハッタン島が封鎖されて刑務所となった近未来。凶悪犯たちが巣食う島内に大統領機が墜落し、収監寸前だった元英雄の軍人は、半強制的に大統領救出に向かわせられる。
カート・ラッセル主演、リー・ヴァン・クリーフ、アイザック・ヘイズら出演。ジョン・カーペンター監督。原題は「Escape from New York」。99分。
感想
冒頭のニューヨーク・マンハッタン島の遠景が美しい。この島全体を刑務所にしてしまうというのは面白いアイディアだ。冷静に考えれば、世界有数の一等地だから、もったいない使いかたではあるが。島の中は無法地帯で、凶悪犯たちの自治に任されている。
そんな島に大統領が緊急着陸してしまい、主人公が救出に向かう。主人公がエリート軍人ではなく、反体制的なアウトローなのがいい。ちなみにこの主人公スネーク・プリスキンは、人気ゲーム「メタルギア・ソリッド」の主人公のモデルとなったキャラらしい。寡黙だが存在感がある。
主人公は、上空から島内に潜入する。この時、グライダーで世界貿易センターの屋上に着陸するのだが、そこへ向かう映像は2001年の911テロ事件を連想させるようなもので予言的だった。到着した主人公は、早速大統領を探し始める。
凶悪犯ばかりの島なので、主人公がやってくれば即座に襲撃されるものとばかり思っていたが、案外と何も起きないのは意外だった。だが彼らはゾンビではないので当たり前か。実際の治安が悪い場所でも、すぐに襲われることはまずない。しばらくは大統領の行方を追う静かな時間が続いた。
主人公は、大統領を拉致した組織との接触を図る。無法者たちの集まりなのに、秩序が作られ組織ができ、体制側と反体制側に分かれているというのも面白い。どんな人たちでも、一定数が集まれば自然と安定する社会が形成されるということだろう。おかげでちょっとタチの悪い国家との交渉みたいな感じになっている。
思っていたよりもおとなしい展開だったが、なぜかリング上で決闘させられることになった主人公が対戦相手を釘バットで倒すシーンや、恋人を殺された女が追ってくる車の前に立ちはだかって轢き殺されるシーンなど、突然の激しいシーンには心がゾワゾワさせられた。
男と男の約束を守り、主人公を見捨てなかった警察本部長や、醜さを見せた大統領の鼻を明かす主人公と、ラストで男たちが見せる心意気にもグッとくる。もっと面白くできたのでは?と思わないこともないが、ユニークなアイデアに満ちた映画だ。
スタッフ/キャスト
監督/脚本/音楽 ジョン・カーペンター
脚本 ニック・キャッスル
出演 カート・ラッセル/リー・ヴァン・クリーフ/アーネスト・ボーグナイン/ドナルド・プレザンス/アイザック・ヘイズ/ハリー・ディーン・スタントン/エイドリアン・バーボー/トム・アトキンス/フランク・ダブルデイ/オックス・ベーカー/(声)ジェイミー・リー・カーティス*
*クレジットなし
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