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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「おっぱいとお月さま」 1994

おっぱいとお月さま (字幕版)

★★★☆☆

 

あらすじ

 母親が産まれたばかりの弟につきっきりで疎外感を感じていた少年は、町にやって来た見世物小屋の踊り子に夢中になる。スペイン・フランス映画。

 

感想

 まだ幼い少年が一人の女性に恋をする物語。ただ少年が恋をするにはあまりにも幼すぎて、恋愛感情を持つこと自体が不自然に感じられるので、きれいなおっぱいをしているから好き、という単純な理由にしたのは、逆にリアリティがある。そんな少年の恋が、ヨーロッパ映画、フランス映画によくあるような少しとぼけたファンタジックな表現を用いて描かれていく。

アメリ(字幕版)

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  • オドレイ・トトゥ
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 そして、少年の恋を描いていくのかと思いきや実際の所は、踊り子の女性を中心にした、その夫と彼女に恋をした地元の男との三角関係がメインで描かれていく。しかし、夫がいる女性にしつこくアプローチしたり、突然歌を歌われただけで恋に落ちてしまったり、浮気されているのに黙認したりと、彼らの行動によく理解できない部分が多くて、だいぶ戸惑ってしまった。

 

 この人たちはいわゆる恋愛面が「進んでいる」という事なのだろうが、その根本には個人の意思を尊重し大事にするという事があるように見える。たとえ夫婦であろうと相手は他人であり、自分の所有物ではないのだから、相手のやりたいことを止める権利はない。不倫したければするし、そうじゃなければ一緒にいる。そんな個人に自分が出来るのは、ただ信じる事だけなのかもしれない。ここで「結婚とは契約の一形態で…」とか言い出して、相手を縛り付けようとするのは最高にダサい行為なのだろう。最近では他人の結婚や不倫にまでとやかく言う人が多いようだが。

 

 

 そんな大人が繰り広げる三角関係の蚊帳の外だった少年。彼の恋心も結局は恋愛感情ではなく母親の愛を求めるものだったのだが、それでも大人の恋愛模様を間近で眺めることで、彼も少しだけ成長し大人になった。こんな体験が積み重なってやがては本当の大人になっていく。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 ビガス・ルナ


出演 マチルダ・メイ/ジェラール・ダルモン/ミゲル・ポベダ/ピエル・デュラン 

 

おっぱいとお月さま - Wikipedia

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