★★☆☆☆
あらすじ
妻を失ったばかりで落ち込み、山荘に静養にやって来た元警官は、森を散策中に、警官二人が女性を殺そうとしている現場に遭遇する。
ブルース・ウィリス出演。96分。
感想
ハイキング中の女性が警官の悪事を目撃したことで命を狙われ、たまたま居合わせたブルース・ウィリス演じる主人公と共に戦う物語だ。
だが広大な森の中で警官二人に追われたところで、全然逃げ切れそうな気がしてしまう。特に女性は身元もバレていないのだから、さっさと立ち去ってしまえば追われる心配もなかった。それなのにわざわざ戦おうとしているのがよく分からない。
また追う側の悪徳警官たちものん気だ。時間が経てば経つほど女を見つけることが難しくなるし、他の人間と接触して問題が複雑化する恐れもあるというのにまったくチンタラしているし、もっと追手を増やそうともしない。
それでも運よく捕まえた女に、逆襲されてしまう始末だ。相手は殺されそうになっているのだから死に物狂いになるのは当たり前だ。それなのに何の警戒もしていなかった。危機感がゼロだ。
後から現場にやって来た彼らのボスものんびりとしている。敢えてそうすることで頭が切れる大物の余裕を演出しているつもりのようだが、そもそもカリスマ性が感じられない。むしろ有能ぶっているだけの態度がでかい無能にしか見えない。手下をバカにしているのもそれっぽい。
クライマックスも平凡だ。わざわざ時間を遡って種明かしをしていたが、そんなとことをする必要もないくらい、想像通りだった。何の驚きもない。最初はいかにも一般人といった感じで脅えてオドオドしていた目撃者の女性が、いつの間にかタフなファイターになっているのも解せなかった。
ところで出てくる女性が皆、怖い顔立ちをしているのは監督の趣味なのだろうか。
普通のおじさんといった格好の主人公が、警官二人に銃を向けて手を上げさせている冒頭のシーンは面白みがあったし、章立てのフォーマットも期待感を持たせてくれるものだった。説得力は弱いが、実は設定もちゃんとしている。だが残念ながら中身が大したことない。
まるで笑点の司会者がお題に対してまずやって見せるお手本みたいなもので、ただやりたいことが分かっただけだった。ここから面白い話に練り上げて欲しかった。思わせぶりで勿体ぶっただけの映画だった。これをコメディにした方が可能性があるような気さえする。
スタッフ/キャスト
監督/音楽 マイク・バーンズ
脚本 ビル・ローレンス
出演 ジェイミー・キング/ブルース・ウィリス/ララ・ケント/ケリー・グレイソン/マイケル・シロウ/メーガン・レナード/タイラー・ジョン・オルソン