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「オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁」 2019

オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁(字幕版)

★★★☆☆

 

あらすじ

 資金難に苦しむヒマラヤ救助隊チームは、エベレスト山頂付近に墜落した飛行機から機密文書を回収してほしいという怪しげな依頼を引き受けることになる。

 

感想

 エベレストを舞台に繰り広げられる雪山アクション映画。頂上付近の飛行機墜落現場まで案内することになった救助チームが、同行した依頼者たちに次々と襲われるストーリー。大まかなプロットとしては、よくあるパターンではあるが盛り上がるだろう展開で、そんなに悪くないとは思うのだが、細かい設定が駄目すぎる。まず依頼者が怪しげな連中だと勘付いていたわけだから、もっと警戒しろよと思ってしまった。機密文書を回収して用が済んだら消されるかも、ぐらいは想像できそうなものなのに、あまりにのんき過ぎた。

 

 そして大した見せ場もなく呆気なく倒されていくメンバーたち。みんな相手の意図に気づく前に襲われ、少し抵抗するくらいしかできなかったので、なんだか間抜けな感じがする。一人くらいはそれでよかったのかもしれないが、残りはせめて相手の意図に気づいた上で対決して欲しかった。それにメンバーのほとんどは、長時間登場する割には表面的なキャラクターしか描かれておらず、なんとなくそこに居るだけという印象になってしまっていてもったいない。ただ、もう助からないと悟ったヘリ操縦士が、共倒れを避けるために自分を介抱するヒロインの女性隊員に「君が「必ず戻ってくる」と言って下山してくれれば納得するから」と自分を見捨てるよう促すシーンは、よくあるシーンにひねりが加えられていて良かった。

 

 

 細かいストーリーはダメダメだったが、雪山アクションとしては普通に見応えがあり、単純に登山する様子を見ているだけでも面白かった。ただ、無理やり見栄えのする厳しいルートを取っているのでは?という疑念もないではない。いくらなんでも一発勝負でミスれば一巻の終わり、みたいなルートを普通は取らないだろう。もっと安全なルートがあるはず、と思ってしまうが、まあ映画なので許容範囲だ。

 

 すべてが終わって迎えるエンディング。すこし不穏な空気が漂っていたので、何か驚愕の新事実が明るみになるのか、大どんでん返しかと身構えたのだが、ただ感傷に浸っていただけだということが分かってズッコケた。たっぷりと時間を使って思わせぶりな事をしたわりには何もない。それにヒロインが最後に取った行動を知った時には、他の隊員たちが彼女のためにした命がけの行動は一体何のためだったのだ?隊長のメッセージをちゃんと聞いていなかったのか?と説教したくなるような、悪い意味での驚きがあった。

 

 そしてこの映画の最大の問題は、冷静に考えるとこの物語で起きた事はすべて無意味だったのでは?と思えてしまう事だ。彼らは多くの犠牲を払うことになったが、特に何かを得たわけではないし、彼らが依頼を引き受けなければ依頼者たちはそもそも何も出来ず、目的を果たすことは出来なかったわけだから、何かの危機を救ったわけでもない。となると彼らはする必要がなかった余計な事をしただけという事になり、なんだか空しさだけが心を満たす。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 ユー・フェイ

 

出演

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チャン・ジンチュー/リン・ボーホン/ビクター・ウェブスター/ノア・ダンビー/グラハム・シールズ/ババック・ハーキー/プブツニン

 

音楽 川井憲次

 

オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁 - Wikipedia

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