BookCites

個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「ペイ・ザ・ゴースト ハロウィンの生贄」 2015

ペイ・ザ・ゴースト ハロウィンの生贄(字幕版)

★★☆☆☆

 

あらすじ

 ハロウィンに息子が行方不明になってしまった男は、一年後のハロウィンが近づくにつれ、息子の存在を感じるようになる。

 

感想

 ハロウィンに引っ掛けた怪奇現象が起こるホラー映画だ。肝心の、得体のしれない何かがいるように見せる演出自体はなかなか良かった。特に息子が使っていたキックボードが勝手に動き回るシーンは不気味で雰囲気があった。だが圧倒的にその量が少ない。もっとあちこちにそんなゾッとするようなシーンをたくさん散りばめて欲しかった。

 

 ホラー現象をたっぷり描く代わりに用意されていたのは、この怪奇現象の原因を明らかにしていくミステリーだ。ただ、確かにリアリティは必要なのだろうが、あまり理詰めで真相究明されてしまうとなんだか気持ちが冷めてしまう。よく分からないけど恐ろしいことが次々起こる、くらいの方がドキドキできていい。この「よく分からない」というのが大事だ。もっともらしい理由は、すべてが終わった後にさらっと触れるくらいで良かったような気がする。

 

 

 それによく考えると、主人公らはわけもわからず怪奇現象に襲われているわけではない。どちらかと言うと、息子を探すために自ら怪奇現象の方に飛び込んでいっている。だから不思議なことが起きてもそれは織り込み済み、みたいな空気だ。怖さは薄れてしまっている。逆にそういう現象が起きてくれないと、息子を探すヒントが途絶えてしまって困ってしまうくらいだろう。

 

 主人公は事件後息子を探し続け、身の回りで起きる怪奇現象の存在に気付くようなった。連れ出した息子を行方不明にしてしまったことから妻の信頼を失い、別居していた主人公だが、妻も怪奇現象を目撃しただけで一気に信頼を取り戻し、主導権さえも握るようになったのは面白かった。それまでは思い詰めて頭がおかしくなったと敬遠されていたのに、急に先輩面をし始めた。

 

 終盤の主人公が息子を取り戻すクライマックスも盛り上がりに欠け、あまり起伏のないフラットでもっさりとした印象の物語だ。こういう映画はあまり整合性なんか気にせずに、とにかくハラハラドキドキさせてくれればそれでいいのに、と物足りなかった。

 

スタッフ/キャスト

監督 ウーリ・エーデル

 

原作 Pay The Ghost (English Edition)


出演 ニコラス・ケイジ/サラ・ウェイン・キャリーズ/ヴェロニカ・フェレ/ジャック・フルトン/リリク・ベント/スティーヴン・マクハティ

 

ペイ・ザ・ゴースト ハロウィンの生贄 - Wikipedia

ペイ・ザ・ゴースト ハロウィンの生贄 | 映画 | 無料動画GYAO!

 

 

bookcites.hatenadiary.com

bookcites.hatenadiary.com