★★★☆☆
あらすじ
観光地である京都・貴船の一帯で2分間のタイムループが発生し、とある老舗旅館では従業員・宿泊客らを巻き込んでの大騒ぎとなる。
原案・脚本は上田誠、ヨーロッパ企画による作品。86分。
感想
タイムループを題材とした物語だ。肉体や物体はリセットされて起点に戻るが、記憶はそのまま残るタイプの設定となっている。
序盤は旅館の従業員や宿泊客が異変に気付き、騒ぎとなる様子がコミカルに描かれる。誰もが分かるコテコテでドタバタな笑いで、舞台でやったらウケそうではあるが、個人的にはあまり好みではなかった。
そして短いスパンでループが何度も繰り返されるので、皆がただドタバタするだけの展開が段々としんどくなってくる。これは設定の説明や各登場人物の紹介もしなければならないからだろうが、2分しかないループなのだからそんなに忙しなく動き回らなくてもいのに、と思ってしまった。ただじっとしていればいい。
だが後半になると、主人公の秘めていた思いが明らかになり、ようやく物語の方向性が見えてきたことで、推進力が出てきた。彼女の想いはこの状況では他愛のないものであったが、わずか2分では大したことができないもどかしさが良い切迫感を生んでいた。それから狙っていたのかたまたまなのか、ドカ雪の映像が映画的でグッとくる。
さらにはタイムループから抜けそうとする動きもようやく始まる。理系だという雑な理由だけで、ただの板前が一人ですべての謎を解明してしまうのは可笑しかった。このあたりの説明はすべて大雑把だったが、綿密にやったところで粗が出るだけなのでこれでいい。
他の登場人物たちのエピソードも上手くまとまり、最後は大団円で一件落着となる。良くも悪くも安定感のある映画だ。全体的なストーリー展開としては悪くなかったが、もう少し大きな盛り上がりが欲しかった。
スタッフ/キャスト
監督/編集 山口淳太
脚本/原案 上田誠
出演 藤谷理子/永野宗典/角田貴志/酒井善史/諏訪雅/石田剛太/中川晴樹/土佐和成/鳥越裕貴/早織/久保史緒里*/本上まなみ/近藤芳正
*友情出演
音楽 滝本晃司

