★★★☆☆
あらすじ
地下格闘技で暮らしている元UFCの男は、嫌がらせに悩まされていたバーのオーナーから用心棒にならないかと持ち掛けられる。
1989年の同名映画のリメイク作品。123分。
感想
金のためにバーの用心棒を引き受けた男が主人公だ。初日からいきなり客が殴り合っていて、これが嫌がらせの客たちか、大変そうだなと思っていたら彼らはただの酔客だった。これが日常茶飯事なんて、なかなか荒っぽい男たちが集うバーだ。あまり行きたくない。
ターゲットの男たちはその後にやってくる。かなりヤバそうな男たちばかりだったのに、主人公があっさりと全員倒してしまうのは気持ちよかった。しかもその前に保険に入っているか、病院が近くにあるかを相手に確認するのも可笑しい。そして最終的にはボコボコにした彼らを自ら病院に送り届ける紳士ぶりだ。
皆の信頼を得て、地元住人たちとも交流するようになっていく主人公だったが、嫌がらせの背後にあった陰謀にやがて巻き込まれていくことになる。敵方の登場人物たちは皆個性的だったが、中でもラスボスの巨体の男が魅力的でいいキャラクターだった。知らなかったが演じるコナー・マクレガーは、UFCどころかスポーツ界のスーパースターらしい。彼の大暴れっぷりも見応えがある。
だが中盤にこのラスボスと対峙した主人公はテンションが低く、まともに戦おうともせず、そのまま街を去ろうとする。てっきり敵に恐れをなしたのかと思っていたのだが、まさか彼が怖がっていたのは敵ではなく自分だったとは驚いた。それまで主人公が見せていた影の部分の正体が明らかになった。しかし相手はメチャクチャ強そうなのに、主人公は全然負けるとは思っていないわけだからすごい自信だ。
主人公は総合格闘技、UFCの元選手なのでタイマンの喧嘩に強いのは分かる。だが集団相手でも強かったり、武器の扱いにも慣れていて応急処置の知識まであるのは、さすがにちょっと不自然過ぎるかなと思わなくもない。なんでも出来てしまってスーパーすぎるのが気になった。
それからコメディ要素も多いのだが、伝わりづらいものが多かったのも残念だ。ちゃんと笑えるものもあるのだが。
とはいえ、劇中でも言及していたが、流れ者が街を救う西部劇のような物語で、水戸黄門的に楽しめる。彼の強さもそういうヒーローものだと思えばいい。すぐにマンネリしてしまうかもしれないが、ドラマシリーズにしても良さそうなフォーマットだ。
ラストも西部劇のように主人公は街を去っていく。だが彼が手にした大金を、店が大破した雇い主には残さなかったのは気になった。他の町の住人にはとばっちりだが、雇い主にとっては想定内で必要経費だろうということだったのかもしれない。
スタッフ/キャスト
監督 ダグ・リーマン
出演 ジェイク・ギレンホール/ダニエラ・メルシオール/コナー・マクレガー/ビリー・マグヌッセン/ジョアキム・デ・アルメイダ/オースティン・ポスト(ポスト・マローン)/ボー・ナップ/ダレン・バーネット/ジェイ・ヒエロン
音楽 クリストフ・ベック
ロードハウス/孤独の街 (2024年の映画) - Wikipedia
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リメイク元の作品
続編(予定)
「Road House 2」