★★★★☆
あらすじ
1976年のF1レースでチャンピオンを争ったジェームス・ハントとニキ・ラウダ。二人の関係が描かれる。
事実を基にした作品。122分。
感想
感覚的で享楽的なジェームス・ハントと論理的で勤勉なニキ・ラウダ。レースにおいてもプライベートにおいても全く正反対の二人のライバル関係が描かれていく。見ようによってはジェームス・ハントは不真面目だ、ニキ・ラウダはつまらない、と否定的に断じてしまうことも出来るが、この映画では何もジャッジせず、フラットな視線で二人を描いており、好感が持てる。
レースシーンは断片的に描かれるだけなのだが、それでもしっかりとレースの迫力を伝えている。転戦する各国のレース場の雰囲気の違いをちゃんと描き分けているのも偉い。F1シリーズの魅力や醍醐味も楽しめる。
それから見ている間は気づかなかったが、振り返ってみると二人の白熱のレースシーンがほぼ無かったというのも考えてみればすごい。抜きつ抜かれつの白熱のレースシーンががっつりあっても良さそうなものだったが、そればかりを描いていると次第にワンパターンになってしまうからだろう。それよりもレース外の二人の姿を描くことに注力している。
中でもニキ・ラウダがレース中の事故で大やけどを負い、そこから復帰するまでの一連のシーンは見ているだけでもしんどかった。普通ならこれでもう終わりだろうと思ってしまうような大事故だったのに、それでもレースに戻ろうと必死に努力する彼の姿は壮絶だった。これが実話だからすごい。
逆転をかけた富士スピードウェイでの最終戦。個人的には二人が途中でレースを止めてしまうのがきれいな結末かなと思ったが、これは実話ベースなので勿論そうはならない。それに実話通りのこの映画の展開の方が、二人の対照的な性格が良く表れていると言えるだろう。
互いにないものを持っている者同士の二人。決して仲が良いわけではないが、それでも互いに認め合っていることはしっかりと伝わってきて、二人の絆に心が熱くなった。こんなライバルがいる人間は幸せだ。
スタッフ/キャスト
監督/製作 ロン・ハワード
出演 クリス・ヘムズワース/ダニエル・ブリュール/オリヴィア・ワイルド/アレクサンドラ・マリア・ララ/ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ/ナタリー・ドーマー/クリスチャン・マッケイ/ジュリアン・リンド=タット/ジェームズ・ノートン/小家山晃/トム・ヴラシア
音楽 ハンス・ジマー
ラッシュ/プライドと友情 【字幕版】 | 映画 | 無料動画GYAO!
登場する人物
ジェームス・ハント/ニキ・ラウダ/クレイ・レガツォーニ/スターリング・モス/テディ・メイヤー/ハーベイ・ポスルスウェイト/エンツォ・フェラーリ/ルカ・コルデーロ・ディ・モンテゼーモロ/ガイ・エドワーズ/長谷見昌弘/高原敬武/ジョディー・シェクター/ブレット・ランガー/ハラルド・アートル