★★★☆☆
あらすじ
壁に囲まれた土地で暮らす一家。不思議な能力を持つ子どもたちは、父親にその使用を禁じられていた。
ティモシー・シャラメ出演。原題は「One & Two」。91分。
感想
片田舎で暮らす一家の物語だ。素朴で慎ましい彼らの暮らしぶりが描かれていくのかと思いきや、突然子どもたちが瞬間移動して驚いた。
ちなみにアメリカ開拓時代あたりの話かと思わせておいて、実は現代が舞台となっている。彼らは昔の生活様式を守って暮らすアーミッシュという集団の一員だ。これもサプライズなのかと思ったが、もしかしたらアメリカ人的にはすぐに気付くものなのかもしれない。途中で空飛ぶ現代の飛行機を見上げるシーンがあったりするので、なんとなく察しがつくようにしてあるように思えた。
一家の父親は、母親の血を引いて特殊な能力を持つ子どもたちを恐れている。能力を使うことを禁じ、抑圧的に振る舞う。だがそれでも子供たちは言いつけを守らない。父親の目を盗んでは能力で遊んでいる。
怒った父親が彼らを家の壁にはりつけにしてしまったのはすごかったが、何度も父親の言うことを無視する子どもたちも子どもたちなので、どっちもどっちという気がしないでもない。だが管理下に置きたがる父親と、それから逃れようとする子どもというのは、古今東西どこでも見られる光景だ。
結局この物語はそのメタファーなのだろう。瞬間移動するのもここにはいたくないことの表れだろうし、父がはりつけにするのも子どもたちを縛りつけておきたい願望を示している。また、我が子なのに理解できない不安や自分を越えていくことへの恐れもある。
その後、父親が娘を捨ててしまうのはインパクトがあったが、おおむねそんなよくある親子間の複雑な感情を描いている。壁が象徴するように、親が子を閉じ込めているのも事実だが、守っているのも事実だ。だからこじれる。
静かに思わせぶりに描いてはいるが、それ以上の何かはなく、まったく物足りない。もっと踏み込んだ何かが欲しかった。
スタッフ/キャスト
監督/脚本 アンドリュー・ドロス・パレルモ
脚本 ネイマ・シャーダディ
出演 キーナン・シプカ/ティモシー・シャラメ/エリザベス・リーサー/グラント・バウラー
シークレット・チルドレン 禁じられた力 - Wikipedia
