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「シャーロック・ホームズの回想」 1893

シャーロック・ホームズの回想 新訳シャーロック・ホームズ全集 (光文社文庫)

★★★★☆

 

あらすじ

 シャーロック・ホームズとモリアーティ教授の死闘が描かれる「最後の事件」など、ホームズの活躍12編を収録した短編集。

 

 別邦題に「シャーロック・ホームズの思い出」「回想のシャーロック・ホームズ」。原題は「The Memoirs of Sherlock Holmes」。

 

感想

 収められた短編の中では「黄色い顔」が特に面白かった。名探偵ものを読んでいると、いつも自信満々の主人公の態度が鼻について、たまにイラっとしてしまうことがあるのだが、そんな読者の気持ちを汲み取ったような、ホームズの推理が外れてしまう物語だ。

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 ただ、いつものホームズと比べたら推理が甘く、あっさりとしている印象はあった。まるで毎回当て馬にされているワトソンみたいな推理だった。だがそれでも超人のように思えたホームズが失敗し、彼も人の子なんだなと、どこか安心するところがあった。事件自体も面白いし、暗い推理とは違って良い話になるのもいい。

 

 その他の話も、弱っていて頼りないホームズや若き日のホームズなど、色んなホームズが見られるので楽しい。そして、急に異様な雰囲気となる最終話「最後の事件」も強烈な印象を残す。

 

 

 今作ではホームズの兄や大悪党のモリアーティ教授といった新キャラが登場し、話に広がりや深みが感じられる。相変わらず「語られざる事件」も気になるものばかりで、期待感を高めるのが上手い。著者は今作でこのシリーズを終わらせたかったようだが、こんなことをしてしまったら世間が許してくれないのも当然だろう。もっといろんな話が読みたくなる。ある意味で自業自得だ。

 

著者

アーサー・コナン・ドイル

 

収録作品

名馬シルヴァー・ブレイズ
ボール箱
黄色い顔
株式仲買店員
グロリア・スコット号
マスグレイヴ家の儀式書
ライゲイトの大地主
背中の曲がった男
入院患者
ギリシャ語通訳
海軍条約文書
最後の事件

 

シャーロック・ホームズの思い出 - Wikipedia

 

 

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