★★★★☆
あらすじ
継母に城を追い出されてしまった白雪姫。
感想
継母役のジュリア・ロバーツがいい感じで悪役を演じている。白雪姫を何度も殺そうとするので実際のところはかなりあくどいのだが、それを上手くオブラートに包みこみ、ファンタジー色を損なわないようにしている。そして花嫁姿になれば、往年の恋愛映画で見せていたような、魅力的な雰囲気が一瞬で出るのは流石だった。彼女は変に自分を良く見せようとしていない所が良い。
そして白雪姫役はフィル・コリンズの娘、リリー・コリンズ。太めの眉がとても気になる。父親のフィル・コリンズはあまり「眉毛」といった感じはないが、改めてよく見ると、濃いといえば濃いかもしれない。彼女はきれいな顔立ちで濃いから気になってしまうということか。とはいえ、序盤を過ぎればいつの間にかそんなことは気にならなくなり、凛々しいお姫様といった印象になる。
物語は、原作の「白雪姫」を現代版にアップデートしたような内容。白馬に乗った王子様の登場をただじっと待つ受け身のお姫様ではなく、自ら困難に立ち向かい、幸せを掴み取ろうとする自立した女性の姿が描かれていく。そしてそんな映画を見ているうちに、そもそもオリジナルはどんな話だったっけ？と内容をあまり覚えていないことに気付かされる。「毒リンゴ」や「七人の小人たち」といったキーワードは思い浮かぶのだが、それ以外は曖昧。意外と童話やおとぎ話の内容はうろ覚え、というのはあるあるだ。
セットや衣装が凝っていて、映像もしっかりしており、ちゃんとした世界観が構築されている映画。少し物足りなさはあるかもしれないが、好みの問題はあるにせよ、万人が楽しめそうな内容となっている。エンディングで皆が踊る様子はまるでインド映画みたいだ、と思っていたら、監督はインド出身の人だった。ただちょっと遠慮気味だったので、最後くらいもっと盛大に歌い踊って欲しかった。
スタッフ／キャスト
監督 ターセム・シン
原作 白雪姫
製作 ライアン・カヴァノー／バーニー・ゴールドマン／ブレット・ラトナー／ケヴィン・ミッシャー
出演
リリー・コリンズ／アーミー・ハマー／ネイサン・レイン／メア・ウィニンガム／ジョーダン・プレンティス／ダニー・ウッドバーン／マイケル・ラーナー／ショーン・ビーン
